僕は、これまでに寝台特急サンライズ(瀬戸・出雲)に2度乗っています。
1回目が唯一座席扱いの「ノビノビ座席」、2回目が最も安い個室である「ソロ」です。
2回目の乗車以降は(時間の都合で)航空機での移動ばかりでしたが、約2年半ぶりにサンライズに乗車する機会がありました。
今回で3回目のサンライズ乗車となりますが、ノビノビ座席、ソロときたら次は「シングル」ですね。
このシングルが、サンライズエクスプレスの中で最も数の多いスタンダードタイプの個室となっています。
というわけで、今回はサンライズ出雲のシングルを利用したので、その様子をまとめました。
目次
姫路駅
2022年(令和4年)7月1日、金曜日。
今回は、姫路駅から上り列車に乗車します。
在来線ホームへ
夕食を買い終えて、姫路駅に再入場しました。
毎度恒例にはなりますが、1つだけ行き先が浮いていますね。
新幹線を除き長距離列車の多くが姿を消した今だからこそ、この表示にワクワクさせられるものです。
というわけで、5番ホームに上ります。
発車標には「特急サンライズ瀬戸・出雲」と表示されています。
ホーム上での検札
5番ホーム上にはサンライズエクスプレスの乗車位置が書かれているので、今回利用の2号車の位置まで向かいました。
上り(東京方面)列車は14号車が先頭であるため、今回乗車の2号車はかなり後ろの方になります。
乗車位置もホーム端の柵が見える距離でした。
さて、初回の東京駅からの下り列車利用時は東京駅発車後に検札、2回目の岡山駅からの上り列車利用時は岡山駅での乗車時に自分で車掌さんを見つけての検札(自分の部屋に来るのを待つのが面倒だったから)でしたが、今回はホーム上での検札となりました。
ここ姫路駅で乗務員が交代となる関係で、ホーム上で待機していた乗務員さんに検札をしていただく形でした。
これは2回目のような自分からの申告というわけではなく、ホーム上で列車を待っていた乗客に車掌さんらが声をかけていました。
サンライズエクスプレスの到着・出発
23時31分ごろ、列車接近アナウンスが流れ始めました。
23時32分ごろ、列車がホームに入ってきました。
14号車を先頭に入ってきた寝台特急サンライズですが、ついに今回お世話になる2号車が目の前に止まりました。
23時34分ごろ、姫路駅を出発しました。
横浜まで約7時間、実に2年半ぶりのサンライズでの旅の始まりです。
シャワーカードを求めて・・・
これまで乗車時もそうでしたが、サンライズに乗車して一番最初にすること。
それは、シャワーカードの購入です。
今回利用の2号車に最も近い販売機の場所は3号車だったのですが・・・
残念ながら売り切れていました(涙)
ただ、僕は諦めの悪い人なので、サンライズ瀬戸側の販売機ならまだ余っているのではと思い、3号車から10号車まで頑張って移動しました。
が、10号車の販売機も売り切れていました・・・。
岡山駅ではなく姫路駅からの乗車だと、シャワーカードの購入は厳しいのかもしれませんね。
シャワールームについては、以前利用したときに詳細をまとめています。
カードを購入できずに終わったこともあり写真を撮ったときは全然気づかなかったのですが、販売機をよく見ると「新500円未対応」のシールが貼られていますね。
現時点で3種類の500円硬貨(これまで「旧・500円玉」「新・500円玉」と呼ばれていた硬貨+新しい500円硬貨)があるわけですが、2021年(令和3年)11月1日に発行開始された最も新しい500円硬貨にこの販売機は対応していないようです。
半年以上経った今でも新500円硬貨を見たことのない僕ですが、自動販売機などで使えないといった報道を目にしていましたし、やっぱりな感はありますね。
さて、シャワーカードを求めて走行中の車内で3号車から10号車へ移動、その後10号車から2号車まで戻ったため、結構酔ってしまいましたw
通常の列車内を移動をするのと違ってシングルがある号車で階段を登ったり降りたりしないといけないことも影響していると思いますが、ここ数年で乗り物酔いしやすくなった気がします・・・。
B寝台・シングル
ここからは、今回利用したB寝台「シングル」について紹介します。
シングルが、スタンダードタイプの個室となります。
料金ときっぷ
シングルは、寝台特急サンライズ瀬戸・出雲の中でソロに続いて値段が安い個室です。
寝台特急を利用するときの料金は、乗車区間によって特急料金の差が出るだけでなく、設備によって寝台料金(乗車区間によらない)の差が出ます。
寝台料金は、おとな(小学生を除く12歳以上)とこども(小学校入学前を除く6歳以上12歳未満)ともに同額です。
乳児と幼児に対しては、1人で個室を利用する場合にのみ寝台料金がかかります。
1人で利用した場合の寝台料金は、以下のようになっています。
ノビノビ座席 | 0円 |
---|---|
ソロ | 6600円 |
シングル | 7700円 |
シングルツイン(1人利用) | 9600円 |
シングルデラックス | 13980円 |
また、2人で1人で利用した場合の料金は以下のようになっています。(2人分の寝台料金)
シングルツイン(2人利用) | 15100円(=9600円+5500円) |
---|---|
サンライズツイン | 15400円(=7700円×2人) |
これらの値段に個室定員分の特急料金(ノビノビ座席は人数分の指定席特急料金)と人数分の運賃を加えた料金が、サンライズエクスプレスを利用するのに必要な料金となります。
今回でいうと、寝台料金は7700円、特急料金は姫路・横浜間の1650円(姫路駅までの新幹線特急券との同時購入による乗継割引適用)でした。
基本的に、特急券と寝台券で1枚のきっぷとなっています。
通常のきっぷよりも少し横に長く、サイズは青春18きっぷなどと同じです。
在来線特急なので改札を通る際に特急券を通す必要がありませんが、間違って自動改札機の中に入れないようにしましょう。
ちなみに、(すでに登場している写真で写っていますが)今回は乗車券も通常よりも横長のものだったため、自動改札を利用できない状況にありました。
サンライズ最多の個室
冒頭で軽く触れているように、シングルはサンライズエクスプレスで最も数の多い個室です。
瀬戸号・出雲号合わせて1〜14号車までありますが、そのうち1・2・6・7・8・9・13・14号車にシングルがあります(一部は「シングルツイン」となっている点に注意)。
号車だと分かりにくいですが、各列車(全7両)の真ん中3両以外言えばイメージしやすいでしょうか。
加えて、ノビノビ座席のある5号車と12号車にも2室ずつあります。
これらすべて数えると、瀬戸号・出雲号合わせて80室あります。
個室番号と上段・下段
下の写真は、2号車で撮ったものです。
この写真から分かるように、21番以降が上段の個室となります。
13番・14番はシングル(いわゆる平屋タイプ)ですが、1番・11番・12番はシングルツインです。
設備面
シングルは、いわゆる平屋タイプを除き上段と下段に分かれています。
階段が分かれている箇所に番号の案内が書かれているので、それに従います。
今回は下段なので、階段で下に降ります。
通路は、下の写真のようになっています。
シングルに限った話ではありませんが、通路は正直狭いです。
すれ違うのは難しいので、どちらかが避ける必要があります。
今回利用したのは2号車の3番で、階段を降りてすぐのところでした。
それでは、個室内の詳細を見ていきましょう。
今回は下段でしたが、(ソロとは違って)上段との差はほとんどありません。
まず、通路から個室内を見た様子です。
ベッドの通路側に少しスペースがあります。
手前側にはテーブルがあり、そこには紙コップが用意されています。
ドア側に鏡があり、枕や掛け布団、浴衣もベッド手前側に置かれています。
テーブルのドア側下にはゴミ袋があり、写真には写っていませんがベッドとドアの間のスペースにはスリップが置かれています。
鏡は天井まで伸びているので、ベッドとドアの間のスペースに立って身なりを整えることが出来ます。
奥側には、「車内のご案内」があります。
そして、右に少し写っているように奥の窓側に操作パネルがあります。
ここで、照明をON/OFFやアラームの設定を行います。
前回利用した個室の時計は2分ほど遅れていましたが、今回利用した個室の時計はほぼ正確でした。
電波時計ではないので、目安程度に利用した方が良さそうです。
窓の反対側、ドアの近くにハンガーとハンガー掛けがあります。
空調設備は、奥側の上にあります。
ソロはドアに鏡がありましたが、シングルは壁に鏡が設置されているため、ドア自体は普通ですね。
操作パネル(照明とアラーム)、ドアの施錠および解錠方法、浴衣や掛け布団などについてはソロの記事に詳しく記載しているので、そちらをご参照ください。
余談
今回利用したのは下段でしたが、本当は上段を利用したかったです。
しかしながら、みどりの窓口に行ったちょうど1週間前の段階でシングルのすべての上段が埋まっていたため、仕方なく下段にしました。
関東に行くことが確定したのがギリギリだったとはいえ、みんな上段を取りたがるんでしょうか。
ただ、翌朝見た感じだと利用した2号車の上段にも空きがあったような・・・。
同じB寝台の「ソロ」との違い
最も安い個室であるソロは、シングルより寝台料金が1100円安いです。
逆に言えば、シングルはソロよりも1100円高いです。
同じB寝台の両者にはどのような違いがあるのかについては、こちらの記事でまとめています。
〜就寝
遅めの夕食(実質夜食)とちょっとした呟き
個室に荷物を置いた後、隣の3号車にあるラウンジで遅めの夕食を取りました。
日付をまたぐ前だったので実質夜食ですが、前述の乗り物酔いのせいで食べるのに時間がかかってしまいましたw
途中、日付が7月2日に変わりました。
3号車のラウンジには何人かいて、そのうち1組は友人同士でこの列車を利用していたっぽいですね。
複数人でも利用できますが、ラウンジ内の書かれているように他の乗客(特に、同じ号車のソロ利用者)の迷惑になるような大声は出さないようにしましょうね。
たまにラウンジ利用者がうるさいというクレームがあるそうで、お酒を飲んだ際は特に気をつけたほうが良いかと思います。
本当なら姫路駅に着くまでの新幹線内で夕食を取れば良かったのですが、「みずほ」「さくら」(「ひかり」)では車内販売が山陽新幹線区間でもないことを忘れていました。
コロナの影響で山陽新幹線のすべての列車で一時期車内販売が休止となっており、「のぞみ」の一部列車では再開されていますが、その他の種別では利用状況に応じての再開検討となっています。
というのが、去年2021年段階の話。
どうやら、今年2022年3月のダイヤ改正のタイミングでJR西日本ホームページの車内販売のページにて
※「のぞみの一部列車、みずほ、さくら、ひかり、こだま」では車内販売はございませんので、ご注意ください。
という文言が追加されたようで、休止ではなく実質廃止になったと言われているみたいですね。
最後に山陽新幹線に乗車したのが、前回のサンライズ乗車した日でした。
コロナ流行前だったあのときから約2年半、色々変わってしまいましたね。
まあ、九州新幹線はそれよりも前に車内販売を終了していましたけど。
歯磨きと就寝
2号車の個室に戻った後、近くの洗面台で歯を磨きました。
再び個室に戻った後に、用意されている浴衣に着替えました。
そして、個室にあるアラームを6時20分にセットしました。
これまで起床後にシャワールームを利用するため少し早めに起きていましたが、シャワーカードを購入できなかった今回は関係ないので遅めの時刻に設定しました。
24時(深夜0時)30分を少し過ぎたくらい、個室のすべての照明をすべて消しました。
ベッドで横になり目を閉じていたら、気づけば寝ていました。
浴衣や個室内のアラーム、照明の詳細はソロの記事に書いているので、そちらをご参照ください。
起床と列車の遅延
朝5時くらいに目が覚めました。
アラームの設定時刻の1時間前の起床でしたが、前述の乗り物酔いも目が覚めたときには大丈夫でした。
下段だったので走行音が気にならないか心配でしたが、全然大丈夫でした。
起きて間もないタイミング(5時10分台?)に静岡駅(静岡県静岡市)に到着したようでした。
しかし、本来の静岡駅到着予定時刻は4時40分。
そう、寝ている間に遅延していたのです。
富士駅(静岡県富士市)には5時40分ごろに到着(31分の遅着)し、5時42分ごろ出発(32分の遅発)しました。
沼津駅(静岡県沼津市)には5時56分ごろに到着(30分の遅着)し、5時57分ごろ出発(30分の遅発)しました。
おはよう放送と遅延について
6時になると、「おはようございます」の放送がありました。
その際に、遅延についての説明がありました。
車掌さんによると、先行の貨物列車が遅延したことと掛川駅(静岡県掛川市)の信号設備の工事が原因で30分遅延しているとのことでした。
遅延の拡大
6時14分ごろ、次の停車駅である熱海駅の少し手前で停車しました。
これは停止信号によるもので、入線できるホームがないことが原因とのことでした。
4分後動き出しましたが、より遅れが広がりました。
気づけば、アラームを設定した6時20分となりました。
熱海駅(静岡県熱海市)には6時21分ごろに到着(38分の遅着)し、6時22分ごろ出発(37分の遅発)しました。
6時40分ごろに、小田原駅(神奈川県小田原市)を通過。
本来の横浜駅到着予定時刻(6時44分)のとき、列車は国府津駅(神奈川県小田原市)付近でした。
6時55分ごろ、相模川を渡りました。
2度目のおはよう放送
歯を磨いていた7時、再び「おはようございます」の放送がありました。
6時台の放送とほぼ同じ内容なのですが、より詳しい遅延の理由が分かりました。
先行の貨物列車ですが、愛知県内で鹿と衝突していたようです。
また、横浜駅には7時20分の到着予定というアナウンスもありました。
横浜駅に到着
7時23分ごろ、到着の自動アナウンスが流れ始めました。
約8時間乗車したこの列車ともお別れのときが来たようです。
ギリギリまで個室にいたいものですが、降り遅れると大変なので荷物をまとめてデッキに向かいました。
それにしても、ベッドから眺める首都圏のホームは不思議な感覚ですね。
7時29分ごろ、横浜駅(神奈川県横浜市)に到着しました。
本来の到着予定時刻が6時44分だったので、45分くらいの遅着でした。
この後の予定のことを考えると遅れての到着そのものはあまりよろしくなかったのですが、1時間弱長く乗車できたと前向きに考えています。
もっと言えば終点の東京駅まで乗車したかったのですが、今回の行程上こればかりは仕方ありません。
それでも約8時間も乗車することが出来ました。
おまけ:コロナと寝台特急サンライズ
コロナが流行ってからは初めてのサンライズエクスプレス利用でしたが、変わったことは特にない印象でした。
ラウンジにはテーブルにパーテーションが設置されているわけでもないですし、ノビノビ座席も隣の座席との区切られ方が変わっていませんでした。
変わったのは、せいぜい乗客や乗務員がみんなマスク付けてるくらいでしょう。
最後に
今回は、寝台特急サンライズエクスプレスのシングルについてでした。
約2年半ぶりに乗車しましたが、やっぱり寝台特急は良いですね。
次にサンライズエクスプレスに乗車するのがいつになるかは分かりませんが、これまでの流れから次は「シングルツイン」もしくは「シングルデラックス」となるのでしょうか。
もっとも、同じシングルでも車端部の個室は微妙な違いがあるので、それを楽しむのもありかもしれませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。