日本で唯一定期運行している寝台特急サンライズエクスプレス。
寝台特急ということもあり他の列車にはない設備がいくつかあるのですが、個人的に思う最大の特徴はシャワールームがあることです。
今回は、寝台特急サンライズエクスプレスのシャワールームの解説です。
これまで利用してきた個室や座席のレビューはこちらから
以前はノビノビ座席の記事に書いていたのですが、シャワールームはどの個室・座席でも利用できるので、この度独立させました。
目次
シャワールームを利用するには
シャワールームを利用するためには、シャワーカードを購入する必要があります。
カードは、瀬戸号は3号車、出雲号は10号車にある券売機で購入できます。
値段は330円で、現金のみです。
シャワーカードの枚数は限られているので、シャワールームを利用したいという方はお早めにご購入ください。
また、始発駅以外からの乗車の場合は乗車時すでにシャワーカードが売り切れている可能性がありますので、ご注意ください。
僕の場合、2019年(平成31年)1月の東京駅から下り方面への利用、同年(令和元年)12月の岡山駅からの上り方面への利用、ともにシャワーカードを購入できました。
その一方、2022年(令和4年)7月の姫路駅から上り方面への利用時には売り切れていました・・・涙
ちなみに、シャワーカード販売機の横には注意書きがあります。
「金額の小さい硬貨を先に投入してください」というのは、投入された金額が330円以上になるとシャワーカードが発券される仕組みになっているからです。
例えば、1030円投入して700円のお釣りをもらおうと考えている場合、先に千円札を投入してしまうとそこで発券されてしまいます。
30円を投入 → 千円札を投入
シャワーカード購入で330円ちょうど以外の金額を投入しようとする際は、ご注意ください。
注意点
次に、シャワールームを使用するにあたって注意点です。
それは、シングルデラックスをご利用の方を除き、タオル類を用意しなければならないことです。
シングルデラックスの利用者は、個室内に用意されているアメニティに入っているタオルを使うことが出来ます。
以前はこのアメニティをシングルデラックス利用客以外も車掌さんから購入できたようですが、現在はそういったことは行っていないようです。
タオルを用意していないと大変なことになってしまうので、シャワーを浴びるのであればタオルを持ってくるべきでしょう。
シャワールームの詳細
場所
シャワールームはシャワーカード券売機と同じで瀬戸号は3号車、出雲号は10号車にあります。
使っている人がいる場合は、入り口のランプが光ります。
シングルデラックス利用者は、シングルデラックスと同じ号車にある専用のシャワールームを利用できます。
シャワールームの設備
入ってすぐの場所は脱衣所、入って右手のドア越しにシャワールームがあります。
脱衣所
まず、脱衣所の説明からです。
入って左手には、シャワールームについての案内等が書かれています。
その右側ににはドライヤーがあります。
これは便利ですね。
その下にはゴミ箱が設置されています。
シャワールーム内でゴミ箱を使う状況が思い浮かびませんが、あって困ることはないと思います。
上に写っているのが、ドライヤーのコードです
入って正面には、鏡と物を置くなどに利用することのできるスペースがあります。
物置き場の下には、脱衣した服を入れるカゴ(脱衣カゴ)があります。
シャワールーム
次に、シャワールームです。
更衣室との間にある扉を開くと、正面の右側にシャワーの残り時間が表示されている画面と、シャワーのお湯を出す「STARTボタン」とお湯を止める「STOPボタン」があります。
後述しますが、シャワーの利用には時間制限が設けられているので、この表示が重要になります。
写真は取らなかったのですが、この下にお湯の温度調整をするものがあります。
更に下には、ボディーソープ(右)とリンスインシャンプー(左)があります。
先ほど説明したドライヤー同様、非常にありがたいですね。
中央には、シャワー(本体)があります。
一般家庭の住宅やアパートなどにある、いたって普通のシャワーです。
シャワーホースはちょうど良い長さだと思います。
左右には、手すりがあります。
また、正面と左右に鏡がついています。
言ってしまえば、家の風呂場に似てると思います。
サンライズエクスプレスに使用されている285系電車の内装は、大手住宅メーカー・ミサワホームが携わっているというのが一番の理由でしょう。
シャワールームの使い方
シャワールームに入ったら
シャワールームに入ったら、まず鍵を閉めます。
後述しますが、大事なポイントです。
シャワー利用の準備
次に、購入したシャワーカードを挿入します。
カードを挿入する場所は、ドライヤーの下にあります。
注意書きに書かれているように、濡れたカードを入れないようにしてください。
シャワーカードは、矢印の向きに挿入します。
カード自体は、すぐに出てきました。
すると、先ほどまで「カードを入れてください。(Insert your card.)」と表示されていたのが「シャワーをご利用をいただけます。(Now available.)」に変わりました。
利用可能時間
シャワーカードを挿入すると、シャワールーム内の残り時間を示す表示が「あと6分00秒」となりました。
サンライズエクスプレスのシャワーは、1回につき6分間利用できます。
STARTボタンを押すとシャワーからお湯が出てカウントが進み、あと0分00秒になるとお湯が止まります。
6分だと短く感じるかもしれません。
「修学旅行かよw」と思った方もいることでしょう。
しかし、6分とはシャワーが出ている時間のみです。
STOPボタンを押せばカウントが止まり、STARTボタンを押せば再度カウントが進みます。
ですから、洗っている間お湯を止めておけば問題ないのです。
長さはそこまで心配する必要はないと思います。
ここで注意点があります。
それは、出入口の扉の鍵を開けてはいけないという点です。
鍵の上に書かれているように、シャワーカードを挿入後に鍵を開けてしまうとカードの効果が切れてしまいシャワーを使用できなくなってしまいます。
シャワーカードは図書カードやテレホンカードなどとは異なり、1回限りの有効です。
例えば、「残り時間が3分だからまた後で使おう」といったことは出来ません。
シャワーカードやシャワールーム内の案内にも書かれていますので、十分にご注意ください。
浴び終えてしなければならないこと
シャワー浴びたらそれで終わりではなく、シャワールームを出てからしなければならないことがあります。
それが、シャワールームの洗浄です。
シャワールームのドアを閉めてドライヤーの横にある「シャワールーム洗浄ボタン」を押すと、シャワールーム内の洗浄が始まりました。
真ん中の青ボタンが「シャワールーム洗浄ボタン」で、その下に書かれているように洗浄時間は1分ほどです。
実際に使用してみた
まずは、中にはいったら扉の鍵を締めて、カードを挿入しました。
身につけていたものを外し、服を脱いでシャワールームに入り、脱衣所とシャワールームを区切る扉を閉めました。
さっそくSTARTボタンを押してみました。
このSTARTボタン、意外とちゃんと押さないと反応しません。
(STOPボタンも同様です)。
すると、水が出てきましたw
しばらく使われなかったようです。
しかし、数秒でお湯に変わりました。
自宅のシャワーより優秀・・・。
普段家でシャワーを浴びるときと同じように、体と髪の毛を洗いました。
全て洗い終わりSTOPボタンを押すと、残り時間は4分以上ありましたw
そりゃ、流すときにしか時間はカウントされないわけですから、この結果は驚くことではないと思います。
ここで終えてもいいのですが、せっかくなので最後どうなるかを観察するために浴び続けました。
ただ4分以上浴びるだけというのはなかなかの苦痛でしたが・・・。
浴び続けて気づいた点があります。
床がかなり滑りにくいようになっています。
車体の揺れでも滑りませんし、無理に足を滑らせようとしても全然滑りませんでした。
僕は、シャワールーム内で手すりに捕まる必要がありませんでした。
浴室内での転倒事故は多い上に揺れる車内なので、安全に配慮した設計だなと感じました。
これもミサワホームの技術なのでしょう。
ミサワホームの家がどんな感じなのかを知らないので、正確なことは分かりませんが。
残り1分になると、ブザーがありました。
そして、残り0秒(正確には残り1秒位)になるとお湯は止まりました。
これ以上お湯は出てこないので、シャワーを浴びることは出来ません。
シャワールームを出たら、ボタンを押して洗浄です。
この洗浄時間は1分ほどであるため、着替えている最中には終わっていました。
着替えを終わらせた後に、シャワールームをあとにしました。
シャワールームを利用して
利用する前は車体の揺れでシャワーを浴びるのは大変なんだろうなと思っていましたが、大変ということはありませんでした。
むしろ普段どおりにシャワーを浴びることが出来ました。
シャワールーム内はそこまで揺れていたようには感じなかったですし、前述のように滑ることがないように作られていました。
なので、比較的に普段と同じようにシャワーを浴びることが出来ると思いますし、安全面に対する心配はいりませんでした。
ただ、走行区間によっては上下左右に揺れることがあるようです。
最高で130km/hほど出しますからね。
よくお風呂場での事故が多いと聞きますので、サンライズエクスプレスでそのようなことは無いと思いますが、十分に気をつけてください。
6分間というのも、想像以上に長かったですねw
シャワールームを使える時間が6分間だと勘違いしていて利用を避ける人も多いようですが、体などを洗う際もお湯を出しっぱなしにする人を除けば全く時間が気にならないと思います。
おそらく女性でも苦にはならないと思います。
ボディーソープとリンスインシャンプー、そしてドライヤーが用意されているというのはいいですね。
その分、荷物が減るわけですから。
ただ、シングルデラックスを利用するとき以外はタオルの持参を忘れないようにしないといけませんね。
注意点としては、シャワーカードの枚数は限られているため早く買わないと売り切れる可能性があることと、シャワールームの数が少ないので順番待ちになることがあることぐらいですね。
あと、シャワールームにいる時間自体には制限は設けられていませんが、マナーとして長居することは避けたほうがいいでしょう。
自分だけのシャワールームではないですからね。
最後に
今回は、寝台特急サンライズエクスプレスのシャワールームについてでした。
快適にシャワーを浴びることが出来る上に、安全性もバッチリでした。
サンライズエクスプレスにご乗車の際は、ぜひ利用してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。