長崎県は、日本で最も島(島嶼)の数が多い都道府県です。
2位の鹿児島県や3位の北海道に大きく差をつけており、971もあるそうです。
数多い長崎県の離島の中で有名なのは、「対馬(島)」「壱岐(島)」「五島列島」あたりでしょうか。
「軍艦島」の名で知られる「端島」も、長崎市に属する離島です。
「平戸島」を始めとする九州本島から橋で渡ることのできる島もありますが、多くの島はそうではありません。
島に行くために、船などを利用する必要があります。
今回は、長崎県の離島の1つ・壱岐島へのフェリーに乗船したので、それについて紹介します。
軽くは触れていますが、ジェットフォイルは別の記事にまとめる予定です。
目次
壱岐島について
概要
壱岐島は、東松浦半島(佐賀県唐津市・伊万里市・玄海町の2市1町の一部が属している半島)から約20km北北西の玄界灘上に位置しており、対馬とともに九州本島と朝鮮半島の間に位置する主要な島です。
その地理的特徴から、昔の書物に登場している場所でもあります。
以下は、壱岐市のホームページからの引用です。
壱岐市は「魏志倭人伝」や「日本書紀」にも登場し、弥生時代から長年にわたって海上交通の要衝となった歴史があります。この歴史的特長から、「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」として平成27年に日本遺産に認定されました。特に、原の辻遺跡は、国内最大級の環濠集落であり、弥生時代の集落としては国内3ヶ所目となる特別史跡として、国の指定も受けています。
引用:壱岐市の紹介/壱岐市
僕は歴史に疎いですが、古事記に「伊伎島」と書かれていたり、中国の史書に登場する「一大國」や「一支國」は壱岐島ではないかと言われていたりするそうですね。
確か、邪馬台国の位置の予想にも欠かせない島だったかと思います。
他にも、世界最北端のサンゴ礁生息地でもあります。
壱岐へのアクセス
壱岐への交通手段としては、航路と空路があります。
福岡県の博多港や佐賀県の唐津東港からの航路、もしくは長崎空港からの空路がメインとなります。
九州本島以外からのアクセスの場合、一度福岡空港か長崎空港、もしくは博多駅を経由することになるかと思います。
その中でも、今回利用したのは航路になります。
航路に関してですが、壱岐島の港は1つではありません。
「郷ノ浦港」「芦辺港」「印通寺港」の3ヶ所があります。
詳細は後述しますが、どの港への着港であるかは出発する港によって決まっています。
壱岐島を結ぶ航路
壱岐島への航路とダイヤ
九州本島と壱岐島を結ぶ航路は、以下の通りです。
九州本島の港 | 壱岐島の港 | |
博多港(福岡県福岡市) | ↔ | 郷ノ浦港 |
↔ | 芦辺港 | |
唐津東港(佐賀県唐津市) | ↔ | 印通寺港 |
これらの航路は、すべて九州郵船が運航しています。
また、郷ノ浦港や芦辺港を結ぶ便は、対馬の厳原港まで結ぶもの(壱岐が経由地となっている)が多いです。
航路図およびダイヤは、九州郵船のホームページにて確認することができます。

博多港を発着する便は、フェリーだけでなくジェットフォイルでの運航もあります。
ジェットフォイルをざっくり説明すると、フェリーよりも速い船(高速船)です。
ジェットフォイルについては別の記事で紹介する予定なので、この記事ではフェリーを中心に説明します。
唐津東港↔印通寺港の便は、フェリーのみの運航です。
座席の種類と料金
フェリーの座席は、「一等船室(1等室)」「二等指定室(2等指定室)」「二等船室(2等室)」の3種類あります。
料金ですが、名前から分かるように一等船室が一番高く、二等船室が一番安いです。
「燃料油価格変動調整金」の関係で詳細な料金は乗船の時期によって変わるようなので、こちらも九州郵船のホームページよりご確認ください。

燃料油価格変動調整金を含まない博多・壱岐間の料金の目安を書いておくと、二等船室が2270円、二等指定室が2740円、一等船室が3210円です。
フェリーなので当然車で乗船することも可能ですが、安くても1万円弱は追加でかかる点には注意が必要です。
自転車や原付も可能ですが、こちらも追加料金がかかります。
予約に関して
フェリーの場合、一等船室および二等指定室は電話での予約が可能です。
指定でない二等船室は予約できず、当日の先着順となります。
ジェットフォイルは、電話予約に加えてインターネットでの予約も可能です。
電話先の確認およびインターネット予約は、九州郵船のホームページに書かれています。
各所の予約受付時間にご注意ください。

実際に乗船してみた(博多港→郷ノ浦港)
2021年(令和3年)3月8日、壱岐島に行く際に実際に利用しました。

今回は、博多港から郷ノ浦港へ向かうフェリーに乗りました。
博多港に到着
朝、バスで博多港(博多ふ頭/福岡県福岡市)にやってきました。
鉄道(JR・西鉄・地下鉄)の駅から少し離れているので、公共交通機関を利用して来る際は西鉄バスで向かうことになると思います。
また、近くには駐車場があります。

壱岐・対馬・五島列島方面の「フェリー」乗り場は、第2ターミナル(北側のターミナル)です。

中に入り、階段で2階に上がりました。
二等船室の乗船券購入(乗船手続き)
後ほど紹介しますが、今回は二等船室を利用しました。
この二等船室の乗船券の販売は、先ほど記載したように当日の先着順となっています。
なので、場合によっては乗船できない可能性もあるので、早めに乗船地に来ることをオススメします。
このとき9時前には着いていましたが、さすがに早すぎて窓口が空いていませんでした。
9時になると窓口が空いたので、乗船手続きをしました。
この当時の二等船室は2270円(内調整金0円)で、ちょうど燃料油価格変動調整金が含まれない期間でした。
フェリーきずな
乗船・出港
乗船が始まりました。
連絡通路(下の写真中央のターミナルから左に伸びている通路)を通って、2階からの乗船です。

今回乗船したのは、「フェリーきずな」です。
同じ航路のフェリーとしては、ほかに「フェリーちくし」があります。

窓がものすごく汚れていましたw
なので、デッキに出ました。

右手に停泊している下側が赤い船が、ジェットフォイルです。
こちらは、壱岐から博多に戻るときに利用したので、別の記事にまとめる予定です。
10時ごろ、博多港を出港しました。
壱岐島へ向けて、約2時間半の船旅のスタートです。

二等船室
今回利用したのは、1階にある二等船室です。
2階からの乗船となるので、下の階に降りる必要があります。
(2階は、一等船室と二等指定室となっています)

いわゆる雑魚寝がメインで、靴を脱いでカーペットの上で横になれます。
以前紹介している寝台特急サンライズのノビノビ座席も、それに近いですね。


サンライズエクスプレスの場合は指定席で各々スペースが区切られていますが、船の雑魚寝は相部屋というかフリースペースみたいな感じです。
また、フェリーきずなの場合は数は少ないものの中央付近に座席があるので、座席に座りたいという方はこちらを利用するのもアリです。
自由席なので、航行中に場所を移動するのもアリです。
また、客室内だけでなくデッキ(2階を含む)にも座席があります。
フェリーきずなの船内図は、九州郵船のホームページをご参照ください。
僕は座るよりも横になる方が好きので、雑魚寝スペースを選びました。
2時間を超える船旅になるので、数が限られている座席はともかくとして、雑魚寝スペースも自分の好みのエリアを早めに確保できると良いかもしれませんね。
雑魚寝スペースは枕が用意されていますが、毛布をレンタルすることもできます。
船内
今回は船内の写真をほとんど撮っていませんでしたが、船内の設備を軽く紹介します。
船内には自動販売機や給湯・冷水機があります。
ドリンクはもちろんのこと、カップ麺やお菓子類もあります(そのための給湯器ですね)。
ただ、自動販売機で販売されている飲食物の数はそれほど多くないので、事前の購入をオススメします。
また、モニターにて現在地を正確に知ることができますし、ゲームコーナーで遊ぶこともできます。
船酔い・・・w
2時間半という長い時間をどう過ごすか迷ったので、とりあえずパソコンで作業をしていました。
ただ、途中で酔ってしまいましたw
乗り物酔いしない方ではありますが、船の中でパソコンを使うのはあまり良くないですねw
1時間くらい寝ていたら、元気になりました。
(寝過ごさなくて良かった・・・)
デッキに出て海風に当たったら、より元気になりました。
郷ノ浦港着港
右手に壱岐島が見えてきました。

写真からも分かるように、壱岐島は島全体の標高はあまり高くありません。
ただ、到着後にレンタカーを借りて島内を運転しましたが、わりと坂道が多い印象でした。
12時20分ごろに壱岐で下船する客へのアナウンスがあり、それからしばらくすると郷ノ浦港(長崎県壱岐市)に到着しました。

スマホのカメラで撮影していますが、海の色が綺麗ですね。
フェリーターミナルには、「歓迎 ようこそ壱岐へ」と書かれていました。

すでに説明しているように、郷ノ浦港は壱岐島の南西部にある港です。
国指定の重要港湾であり、壱岐市役所に最も近い港になります。

12時27分ごろ、下船が始まりました。
ちなみに、このフェリーは壱岐までの客を降ろした後、対馬の厳原港まで向かいます。
最後に
今回は、長崎県の離島・壱岐島へのフェリーを紹介しました。
僕自身、船に乗るのは実に約1年ぶりで、2020年(令和2年)に利用した桜島フェリー以来でした。
このブログで紹介したものでいえば、2019年(平成31年)3月に青春18きっぷで乗った広島・宮島へのフェリー以来2回目でした。

鉄道や航空機ばかり利用していますが、たまには船旅というのも良いですね。
この記事が壱岐を訪れる際の参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。