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普通車指定席VSグリーン車!新幹線「みずほ」「さくら」で快適なのはどっち?

指定席グリーン車比較サムネ
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以前、新幹線「みずほ」「さくら」に使われるN700系の普通車指定席がグリーン車のように快適であるという記事を書きました。

さくら545号の方向幕
快適さはグリーン車級!?山陽新幹線なら「みずほ」「さくら」の普通車指定席に乗るべき理由前回、寝台特急サンライズ出雲に乗って東京駅から岡山駅までやってきました。 https://www.twinklerider.com...

ここでいう「普通車指定席がグリーン車並みに快適である」とは、普通車自由席と比較した場合です。

ここで1つの疑問が生まれました。
「普通車指定席がグリーン車のように快適なら、普通車指定席とグリーン車のどちらの方が快適だろうか」です。
なので今回は、実際に両方の座席を利用して比較してみました。
若干主観も入っていますが、参考にしてみてください。

今回の検証は、九州新幹線区間のみです。
山陽新幹線区間とは多少異なる部分があるので、ご注意ください。

また、使用している車内の写真の撮影日はバラバラです。

「みずほ」「さくら」用のN700系について

N700系新幹線は、東海道新幹線を始めとして山陽新幹線や九州新幹線でも使用されています。

ですが、「みずほ」「さくら」で使用されているN700系は「のぞみ」などで使われているN700系新幹線(N700Aなど)とは異なる点があります。
鹿児島県の桜島の火山灰対策など色々あるのですが、実際に乗客が感じる大きな違いは普通車指定席の座席の広さです。

2列+3列が基本となっている普通車指定席ですが、「みずほ」「さくら」で使用されているN700系では2列+2列となっているのです。

当然ながら、座席の数が少ない分1つの座席あたりの幅が広くなっているのです。
座席の広さは、快適さに大きく影響するものです。
同じ普通車なのに、座席を指定にしただけで広くて快適な座席に座ることができるのです。
このことから、「みずほ」「さくら」の普通車指定席はグリーン車並みに快適だと言われることがあります

もちろん、高い料金を払って乗車できるグリーン車も「みずほ」と「さくら」にはあります。
本来グリーン車は料金が高い分快適であるはずなのですが、普通車指定席がグリーン車並みに快適だと言われている現状。
では、本当に快適なのはどちらなのか。今回は、それを検証した記事になります。

普通車指定席VSグリーン車指定席

2019年(令和元年)9月の出来事なので、値段は同年10月から運賃値上げ前の情報となっております。
現在の料金も一緒に記載しておりますが、予めご了承ください。

9月に福岡県に用事があり九州新幹線を利用する機会があったので、そのときに往復で別々の座席を利用して比較してみました。

今回は、九州新幹線2枚きっぷを使いました。
このきっぷは、双方向利用可能な「乗車券+新幹線自由席特急券」が2枚セットになったお得なきっぷです。
そして、このきっぷは別途指定席券もしくはグリーン券を購入することで、普通車指定席もしくはグリーン車指定席を利用することができます。

福岡市内・鹿児島中央間の九州新幹線2枚きっぷ今回利用したのは、福岡市内・鹿児島中央間の2枚きっぷです

2枚きっぷに特急料金が含まれえていると考えることができるので、今回のような比較にはうってつけなのです。

それでは比較してみましょう。
乗車日は、どちらも2019年(令和元年)9月13日です。

普通車指定席

まずは、普通車指定席に乗りました。
今回乗車したのは、みずほ616号です。

みずほ616号が表示されている鹿児島中央駅の発車標 鹿児島中央駅に停車中のみずほ616号

料金

新幹線の普通車指定席の料金は、普通車自由席の料金と比較して520円(通常期)高いです。

2019年10月以降の差額は、530円(通常期)です。

また、指定席は閑散期は200円引き、繁忙期は200円増しとなっています。
2019年10月〜2020年12月の通常期・閑散期・繁忙期については、JR公式サイトでご確認ください。

乗車日の2019年9月13日は金曜日なので、通常期です。

鹿児島中央→博多の指定席券2019年10月からは530円に値上げされていますので、ご注意ください

「みずほ」は乗車区間によって上記の値段よりも高くなるので、ご注意ください。

「さくら」ではそのようなことはありません。

座席

「みずほ」「さくら」で使用されるN700系新幹線は8両編成で、そのうち普通車指定席は4号車から8号車(ただし、6号車の7号車側半分を除く)で、全部で282席です。

座席は、2列+2列となっています。
これは、「のぞみ」などに使われているN700系(N700Aなど)における普通車指定席が2列+3列となっている点と異なります。

新幹線みずほ・さくらの普通車指定席
では、詳しく座席を見ていきましょう。

九州新幹線直通N700系の普通車指定席の座る部分

先程も述べたように2列+3列ではなく2列+2列となっているので、座席の幅がその分広いです。
数字上のシート幅は460mmとなっており、普通車自由席(B席を除く)よりも広いです。

この差が「みずほ」「さくら」の普通車指定席をグリーン車並みに快適だと感じさせます。

写真ではわかりにくいのですが、実際に座ってみると左右のゆとりを感じることが出来ると思います。

2つの座席の中央には、肘掛けがあります。

新幹線みずほ・さくらの普通車指定席の肘掛け

この肘掛けは、持ち上げて収納することが可能です。

新幹線みずほ・さくらの普通車指定席の肘掛けを収納した様子

シートピッチ(前後の座席の間隔)は、1040mmとなっています。
これは、普通車自由席と同じです。

新幹線みずほ・さくらの普通車指定席のシートピッチ

写真ではわかりにくいのですが、それなりに広いので比較的ゆったりとすることが出来ます。
足を伸ばしても、窮屈な感じはしません。

設備

まず、全車禁煙となっています。

全座席に背面テーブルがあります。
テーブルの根本は前の座席の下の方に付いているので、前の乗客がテーブルを倒してもそこまで影響はありません。

みずほ616号の普通車指定席の背面テーブル

気になる点としては、少し体の位置から離れていることが挙げられます。
そのため、深く座っているとパソコンでの作業などがしづらいかもしれません。

新幹線みずほ・さくらの普通車指定席のテーブルと座席

外側の肘掛けの先端には、ドリンクホルダーが付いています。
これは、普通車指定席の全席に備わっています。

普通車指定席のドリンクホルダーリングの閉じた状態 普通車指定席のドリンクホルダーリングの上げた状態

コンセントは窓側(A席・D席)と最前部と最後部の座席のみで、通路側(B席・C席)の座席にはありません。

雰囲気など

では、実際の乗った感想です。

僕が鹿児島中央駅の新幹線ホームに着いたときはまだホームドアが閉まっており乗車できない状態だったのですが、それなりに並んでいました。
普段乗車率の低い鹿児島中央・熊本間なのですが、今回乗車した列車は鹿児島中央駅から半分くらいの席が埋まっていました。
金曜日の昼だったので、サラリーマンが多かったように感じました。

11時24分ごろ、鹿児島中央駅を出発しました。

鹿児島中央駅を出た直後のみずほ616号

車内の雰囲気ですが、静かではないです。
一緒に乗った人と話をしていたことが影響していると思います。
別に高校生が乗った通勤列車みたいにうるさいわけでなく、ちょっとザワザワしている感じです。

途中の熊本駅で更に乗ってきたので、ザワザワが増したように感じました。

12時43分ごろ、博多駅に到着しました。

博多駅の駅名標 博多駅に停車中のみずほ616号 きっぷる

グリーン車指定席

帰りは、グリーン車指定席に乗りました。

検証のためとは言え、初めて新幹線のグリーン車でした。
在来線特急のグリーン車は、以前青春18きっぷでの旅行中に乗りました。

宗太郎越えグリーン車サムネ
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今回は、さくら567号に乗車しました。
乗車区間は、博多駅から鹿児島中央駅までです。

博多駅の発車標撮影:博多駅
さくら567号の方向幕撮影:鹿児島中央駅

料金

普通車自由席の料金と比較したときに、普通車指定席の料金は500円ほど(「みずほ」はこれによらない)高いだけであるのに対して、グリーン車指定席は乗車区間によって値段が大きく異なります。
なぜなら、指定席料金は座席指定分の料金に過ぎませんが、グリーン料金は設備料金もかかるからです。

今回は、博多駅から鹿児島中央駅の区間で3090円でした。

2019年10月以降の博多・鹿児島中央間のグリーン料金は、3150円です。

博多→鹿児島中央のグリーン券

ちなみに、今回は2枚きっぷと併用するためにグリーン券のみで購入していますが、通常は特急券とグリーン券はまとめったきっぷとなっています。

座席

先ほども書いたように「みずほ」「さくら」で使用されるN700系新幹線は8両編成で、そのうちグリーン車指定席は6号車の新大阪駅側半分です。
鹿児島中央行きの下り列車であれば、後ろ側です。
6号車の鹿児島中央駅側は普通車指定席であるため、同じ号車内が扉で区切られています。
座席数は24席(4列✕6)しかありません。

座席は、2列+2列となっています。
これは、先ほども普通車指定席とは違い「のぞみ」などに使われているN700系(N700Aなど)と同じです。

新幹線さくらのグリーン車指定席6号車のグリーン車指定席の様子。乗車時は夜間

上の写真から分かるように、全体的に落ち着いた色をしています。
照明も普通車よりも少し落としているように感じます。
このとき夜間で外が暗かったことも少し関係していますが、それでもシート自体の色などを考えると落ち着いているように感じます。

詳しく座席を見ていきましょう。

シート幅は475mm、シートピッチは1160mmとなっており、どちらも普通車指定席よりも広いです。
普通車自由席と比較すると、左右にかなりゆとりがあります。
座席上部には大きなピローが付いており、上下に動かすことが出来ます。
また、色・材質ともに上品な感じになっております。

リクライニングですが、僕個人の感覚だと「普通車指定席よりも倒れるかなあ」と言った感じです。
また、リクライニングを倒すことで座る場所のお尻側(座面後部)が沈むようになっています。
一応この機能は普通車指定席の座席にも備わっているのですが、沈むのはわずかです。

普通車指定席と異なる点として、レッグレストがあります。
手元のレバーを操作することで動かすことができるのですが、かなりの範囲で動きます。

N700系のグリーン車の一番閉じた状態のレッグレスト一番閉じた状態のレッグレスト
N700系のグリーン車の一番開いた状態のレッグレスト一番開いた状態のレッグレスト

リクライニングとレッグレストは、手元にあるエアシリンダ駆動のレバーで操作します。
普通の座席のレバーを引っ張り続けながら体重を使って操作するものではなく、レバーの前後操作に合わせて動くものとなっています。

グリーン車のリクライニング・レッグレスト用レバー画像上部のレバーがレッグレスト用、下部のレバーがリクライニング用です

更に、フットレストもあります。
通常は、土足で足を乗せることが出来ます。

N700系新幹線の土足用のフットレスト

このフットレストを手前に倒した側は、靴を脱いで利用します。
バネがあるためか、自分の足で抑えないと元に戻ろうとします。
その点が、以前乗った787系電車のグリーン車のフットレストとは異なります

N700系新幹線の裸足用のフットレスト

設備

まず、全車禁煙となっています。

テーブルは、背面テーブルとインアームテーブルがあります。

背面テーブルは先ほど紹介した普通車指定席のものとほぼ同じですが、前後にスライドすることができる点が異なります。

さくら567号グリーン車の背面テーブルレールがあることが分かると思います

かなり手前にまで動かすことができるので、作業や食事をするのに適しています。

インアームテーブルは、肘掛けの部分から出すテーブルです。

インアームテーブルが収納されている肘掛け肘掛けの部分が
インアームテーブルが収納されている肘掛けを開いた状態開くようになっており
インアームテーブルそこからテーブルを取り出すことが出来ます

背面テーブルよりは小さいですが、飲み物などのちょっとしたものを置くのに便利です。

2つのテーブルを出して背面テーブルを一番手前に引くと、下の写真のように重なる部分がある点には注意です。

さくら567号グリーン車の2つのテーブルを広げた状態

そして、全ての座席にコンセントが備わっています。
窓側・最前部・最後部の座席にしかない普通車とは異なり、通路側の乗客もコンセントを利用することができるのです。

新幹線さくらのグリーン車のコンセント

ただ、コンセントが下を向いているので、パソコン用のような大きな電源プラグだと外れやすいかもしれません。

座席のピロー横には読書灯が備わっています。
普通車よりも若干暗いためです。

さくら567号グリーン車の明かりがついていない読書灯 さくら567号グリーン車の明かりがついている読書灯

この読書灯は、肘掛けの内側にあるスイッチを押すことで付けたり消したりします。

さくら567号の読書灯のOFFになったスイッチ さくら567号の読書灯のONになったスイッチ

読書灯のスイッチの横に、もう1つボタンらしきものがあるのがわかるでしょうか。
「のぞみ」などで使われているN700系新幹線(N700Aなど)では「レッグウォーマー(足元を温めるもの)」のスイッチとなっているのですが、なんと「みずほ」「さくら」に使われているN700系新幹線にはこの設備がないのです。

逆に「のぞみ」などで使われているN700系新幹線(N700Aなど)には、レッグレストはありません。

おそらく、普通車指定席との差別化のためにレッグレストを導入して、その代わりにレッグウォーマーをなくしたのでしょう。

サービス

JR九州はグリーン車サービスを廃止してしまったため、グリーン車だからといって何か特別なサービスがあるわけではありません
「みずほ」「さくら」は山陽新幹線まで乗り入れる列車がほとんどですが、山陽新幹線区間の博多・新大阪間ではグリーン車サービスがあります。
それに対して、九州新幹線区間の博多・鹿児島中央間ではグリーン車サービスがないのです。

ただ、車掌さんの対応が普通車よりも柔らかいような気がしました。

雰囲気など

では、実際の乗った感想です。

基本的に新幹線のグリーン車は列車の中央にあり、駅の階段のすぐ近くに停車するようになっています。
わざわざ遠くまで歩く必要はありません。

グリーン車の入口にはグリーン車のマークが描かれています。

さくら567号のグリーンマーク

グリーン車は、乗客数が少ないように感じました。
グリーン車の座席数は24席と普通車指定席の10分の1未満ですが、僕が博多駅で乗ったときは5人ほどでした。
普通車指定席と乗車した時間帯が異なるので一概には比較することは出来ませんが、基本的には少ないと思います。

19時59分ごろ、博多駅を出発しました。

グリーン車は、普通車と比較すると静かでした。
普通車は複数人で利用する人も多く会話が聞こえてきますが、グリーン車ではそのようなことはありませんでした。
響き渡るのは列車の音だけでした。

「こだま」のようにインターネット予約ではグリーン車のほうが安く乗れることがある列車ではうるさいようですが、「みずほ」「さくら」はそれに当てはまらないのでその心配はないでしょう。

途中の熊本駅で降りる人が多かったです。
そもそも熊本・鹿児島中央間は普通車の乗車率も低い・・・。
元が静かなので、人数が変わろうと車内の雰囲気の違いは感じませんでした。

というわけで21時38分ごろ、鹿児島中央駅に到着しました。

鹿児島中央駅の駅名標

快適な2時間を過ごせたと思います。

普通車指定席とグリーン車指定席の比較

普通車指定席とグリーン車指定席の主な違いを項目別に表にまとめると、以下のようになります。

項目普通車指定席グリーン車指定席
値段(普通車自由席との差)520円(通常期・時期により±200円)(現在は530円)区間による(値段は高め)
座席数282席24席
シート幅460mm475mm
シートピッチ1040mm1160mm
レッグレストなしあり
フットレストなしあり
テーブル背面テーブル背面テーブル(スライド機構付き)・インアームテーブル
コンセント窓側・最前部・最後部のみ全座席
雰囲気少しうるさいことも基本的には静か

ちなみに、数十ミリメートル(数センチメートル)差というはあまり違いがないように感じるものですが、座席において想像以上に大きいです。

グリーン車に値段差だけの価値があるのか

普通車指定席よりもグリーン車のほうが料金が高いのですが、それだけの価値はあるのか。
様々な観点で見ていきましょう。

座席幅に関しては当然ながら普通車指定席よりもグリーン車のほうが広いのですが、多くの新幹線よりも座席幅の差が小さいため少し損した気分になるかもしれません。
更に、後述のように「みずほ」「さくら」に使われているN700系のグリーン車は好みが分かれやすいように感じました。

しかしながら、レッグレストやフットレストのような独自のもの、より使いやすく広いテーブル、全座席に備わったコンセント。
そしてなにより、静かであることは最大の利点ではないでしょうか。

結局のところ、その人次第ではあるのですが、料金が高いだけの価値はあると思います。

きっぷる

余談(個人的な感想)

「みずほ」「さくら」の普通車指定席とグリーン車指定席。
そもそもどっちが快適かで迷うところが変わっていますよね。
それくらい人によって感じ方が変わる座席だと思います。

ちなみに、僕は普通車指定席で十分かなと思いました。

先ほど紹介したようにレッグレストは「みずほ」「さくら」用のN700系だけに備わったものですが、レッグレストとフットレストが連動しておらず、使いづらかったです。
なので、レッグレストは使いませんでした。
ここは、すごく好みが分かれる点なのかなと感じたところです。

座席がかなりゆったりとしていたりテーブルを広く使えるのは便利なんですけど、それ以外の機能はそこまで必要ないかなと思いました。
というのも、僕は新幹線の中でゆっくりしているより何か作業をすることの方が多いので、座席を深く倒すことがないのです。

僕はうるささは気にならないタイプだし、逆にグリーン車のほうが疲れたので「みずほ」「さくら」は普通車指定席のほうが良いと思ったところです。
プラス500円で得られる快適さは相当なものだと思います。

最後に

今回は、新幹線「さくら」「みずほ」の普通車指定席とグリーン車指定席を比較してみました。

どちらが良いかは利用する人の金銭的事情やニーズによって異なりますが、大抵の人は普通車指定席で十分だと思います。
余裕がある方は是非乗り比べてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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