JR九州の日豊本線は、福岡県の小倉駅と鹿児島県の鹿児島駅を結ぶ九州の東側を走る路線です。
日豊本線の終点は鹿児島駅であり、鹿児島中央駅ではありません。
ほとんどの列車の起点・終点となる駅であり鹿児島市の主要駅となっているのは、鹿児島中央駅ですが。
鹿児島県から大分県、もしくは大分県から鹿児島県へ鉄道で移動する場合、普通に考えれば日豊本線・宮崎経由で行けばいいと思うことでしょう。
ただ、このルートは結構時間がかかるのです。
乗り換えアプリで検索すると、宮崎駅経由ではなく、九州新幹線を利用した博多駅(福岡県福岡市)・小倉駅(福岡県北九州市)経由のルートが表示されることも多いです。
更に、JR九州の料金計算の決まりのため、少しお金もかかるのです。
今回は、実例を交えながら宮崎県経由での鹿児島県と大分県の移動についてまとめました。
目次
宮崎経由の鹿児島県から大分県までの特急券
先日、鹿児島中央駅から大分県の佐伯駅へ移動する予定がありました。
下の項目で実際に乗車したときの様子を書いていますが、購入したきっぷは以下のものです。
南宮崎・宮崎間は特急券なしで乗車可能であるため、特急きりしまの全乗車区間(鹿児島中央・宮崎間)のうち特急料金がかかるのは南宮崎駅までとなっています。
さて、基本的に運賃や特急料金は通しでの購入のほうが特急料金は安くなります。
単純に考えれば通しで買うことができれば安くなりますが、宮崎駅で特急を乗り換える場合は通しで購入できないのです。
それは、JR九州の決まりで列車ごとに料金計算をしなければならないことになっているからです。
- 在来線の特急料金
JR九州内で在来線特急列車をご利用の場合の特急料金は、列車ごとに、実際にご利用になる区間の営業キロによって次の表をご覧ください。
鹿児島中央駅から佐伯駅までは268.0kmなので、仮に通しで買うことができれば1520円で済みます。
ですが、特急きりしまの乗車区間と特急にちりんの乗車区間で別々の特急券を購入する必要があります。
そのため、鹿児島中央駅から南宮崎駅までが123.3km(鹿児島中央・宮崎間は125.9km)、宮崎から佐伯駅までが142.1kmであることから、150キロまでの自由席特急料金である1250円がそれぞれ必要となるのです。
1520円と比較すると、
( 1250 + 1250 ) – 1520 = 980円
と、1000円弱の差があるのです。
ちなみに、日豊本線の大分駅か別府駅での乗り換えの場合は、改札を出なければ通しの料金となります。
その点が、宮崎駅で乗り換える場合と異なる点です。
博多~宮崎空港間(鹿児島本線・日豊本線経由に限ります)の特急券は、別府駅または大分駅で改札口を出ないで乗り継ぐ場合、通しの料金でご利用になれます。
実際の乗車と所要時間
2021年(令和3年)3月13日、鹿児島中央駅から大分県の佐伯駅まで行く用事があったので、そのときの様子をまとめました。
特に、所要時間に注目していただきたいです。
鹿児島中央駅と佐伯駅
佐伯駅は、大分県の南側にある駅です。
佐伯駅は、大分駅(大分県大分市)から特急列車で約1時間、普通列車で約1時間半かかります。
冒頭で博多駅・小倉駅経由のルートが示されることも多いと書きましたが、佐伯駅はそのルートでも宮崎駅経由でも結構時間がかかります。
今回宮崎駅を経由するルートを使った理由は、佐伯駅を始めとして大分県内の駅で途中下車しつつ福岡市で1泊、翌朝特急かもめで長崎市に行く予定があったからです。
要するに、流れの関係ですね。
鹿児島中央駅→宮崎駅
当ブログでお馴染みすぎる、鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)にやってきました。
まずはじめに、特急きりしま2号宮崎行きに乗車します。
というわけで、3番のりばにやってきました。
鹿児島中央駅から出発する宮崎方面の最初の特急列車となります。
この列車は、ワンマンです。
ワンマンですが、検札はあります。
5時51分ごろ、鹿児島中央駅を出発しました。
朝早くの出発だったのにあまり寝れていなかったこともあり、鹿児島中央駅を出発してすぐに爆睡しましたw
起きたときは、南宮崎駅(宮崎県宮崎市)でした。
8時9分ごろ、宮崎駅(宮崎県宮崎市)に到着しました。
宮崎駅で乗り換え
宮崎駅で、特急にちりん6号に乗り換えます。
「(&ソニック)」や「大分(博多)」と書かれているのは、この駅同様に大分駅で特急ソニックと接続しているからです。
そして、先ほど説明したように大分駅などで改札を出ずに特急列車を乗り換える場合は通しの料金で良いので、にちりんとソニックは(ある意味)同じ列車とみなすことができます。
鹿児島中央駅では「(&にちりん)」「宮崎(大分)」と表示されていないのは、そういった差ですね。
特急きりしまは2番のりばに到着しましたが、特急にちりんは向かい側のホームの1番のりばに停車していました。
なので、簡単に乗り換えることができます。
宮崎駅→佐伯駅
8時10分ごろ、宮崎駅を出発しました。
背もたれには、3種類の車内案内が書かれています。
特急にちりん6号は6両編成で、3〜6号車が普通車自由席、2号車が普通車指定席、1号車がグリーン車指定席(グリーン個室・DXグリーンあり)となっています。
高鍋駅を出発後、検札がありました。
感染対策のため、きっぷの確認のみでした。
回数券には、スタンプが押されます。
朝8時台なので、朝日に照らされた日向灘が綺麗でした。
9時11分ごろ、延岡駅(宮崎県延岡市)に到着しました。
ここから先は、佐伯駅まで「宗太郎越え」と呼ばれる区間となります。
途中、重岡駅(大分県佐伯市)と宗太郎駅(大分県佐伯市)があり、合わせると「重岡宗太郎」という人名っぽくなることで知られています。
重岡駅では手を振る2人の年配の女性がいましたが、地元の方でしょうか。
10時8分ごろ、佐伯駅(大分県佐伯市)に到着しました。
1番のりばへの到着でした。
佐伯駅といえば宗太郎越えですが、この写真はちょうど2年前(2019年3月13日)に青春18きっぷで宗太郎越えをした際に撮った写真と似た角度ですね。
所要時間と日豊本線の最高速度と列車の本数
さて、所要時間を確認してみましょう。
鹿児島中央駅を出発したのが5時51分、佐伯駅に到着したのが10時8分。
なので、(宮崎駅での1分間の乗り換え時間を含め)4時間17分かかったことになります。
特に、宮崎県延岡市の延岡駅から佐伯駅までで、約1時間かかっています。
ここまで時間がかかるのは、日豊本線の最高速度が関係しています。
国分駅(鹿児島県霧島市)と宮崎駅の間の区間、延岡駅と佐伯駅の間の区間は、特急列車であっても85km/hしか出すことが出来ません。
日豊本線の他の区間の最高速度は100km/h以上となっているため、その遅さが分かるかと思います。
実際に乗車すればわかりますが、特急とは思えないほどゆっくりです。
最高速度のこともあって、この区間は特急列車と普通列車の所要時間がほとんど変わらないです。
ですが、普通列車の本数自体がかなり少ないので、大して変わらない所要時間のために特急料金を払わざるを得ないことが多いのです。
僕が地元・宮崎に帰省するときの悩みの一つですw
宮崎県との接している自治体・大分県佐伯駅にある佐伯駅で4時間以上かかっているので、大分駅や別府駅などに宮崎経由で行くともっと時間がかかります。
2019年春に青春18きっぷの旅をした際、5日目の佐伯駅から鹿児島駅までの移動に(西都城駅以降は特急きりしまを利用したものの)6時間以上かかっています。
このとき全区間青春18きっぷを使っていたら、約半日かかっていました。
日豊本線のこの区間は、そういう路線なのです・・・w
最後に
今回は、鹿児島県から大分県までの移動についてでした。
時間の問題・列車の本数の問題・特急料金の問題、考慮しないといけないことが多いですが、参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。