鹿児島県内を走るJR九州の特急列車である「指宿のたまて箱」。
地名の「指宿」はともかくとして、「たまて箱」と少し変わった列車名となっています。
名前が少し特徴的であるように、列車自体も特徴的なものとなっています。
行きの1号は、残念ながら山側の座席でした。
しかしながら、帰りの6号では海側のカウンター席を指定することが出来ました。
今回はそんな特急 指宿のたまて箱で指宿駅から鹿児島中央駅まで乗車したので、その様子をまとめてみました。
この乗車では、指宿枕崎線の揺れを物語る出来事があったのでした・・・。
目次
「特急 指宿のたまて箱」とは
「特急 指宿のたまて箱」は、JR九州の特急列車のうち鹿児島県の指宿枕崎線を走るD&S列車です。
D&S列車や指宿のたまて箱の詳細は、こちらの記事に書いています。
この記事で説明していますが、全車指定席です。
乗車する前に窓口等で座席の指定をする必要があります。
海側の座席はすぐに埋まる傾向にあるので、できるだけ早く座席の指定をすることをオススメします。
指宿のたまて箱6号に乗車してみた
2021年(令和3年)9月18日に指宿のたまて箱6号に乗車したので、その様子をまとめました。
指宿駅に到着
指宿駅(鹿児島県指宿市)に戻ってきました。
これから乗車するのは、15時5分に1番のりばから発車予定の列車です。
指宿のたまて箱6号の下に表示されている15時53分発の普通・鹿児島中央行きは、約1年前に連続乗車券を使用して乗った列車ですね。
その下に表示されている14時52分発の普通・山川行きは約1時間半前に枕崎駅(鹿児島県枕崎市/JR最南端の始発・終着駅)を出発してこの駅(指宿駅)で折返しとなる列車ですが、その枕崎発の列車にも乗りましたね。
奇しくも、指宿に来た目的も1年前にかなり似ていたり。
指宿駅構内には、これから乗車する指宿のたまて箱運行10周年の横断幕が掲げられています。
2011年(平成23年)3月の九州新幹線全線開業に合わせて運行が始まった指宿のたまて箱は、今年2021年で10周年なのです。
ちなみに、指宿駅構内の時刻表を見て分かる通り、指宿駅よりも南の枕崎方面はかなり列車の本数が少ないです。
そして、「山川・枕崎方面」と書かれていますが、隣の山川駅(鹿児島県指宿市/JR最南端の有人駅)で折り返す列車がかなり多いです。
この中で、終着駅である枕崎駅まで行く列車は5本だけです。
なので、西大山駅(鹿児島県指宿市/JR最南端の駅)や枕崎駅方面へ行く際はちゃんと計画しておかないと、大変な目にありますよ・・・w
それにしても、列車の本数に対して時刻表の幅が広すぎるような・・・。
使用きっぷ
列車の到着アナウンスに合わせて、駅員さんにきっぷを見せてスタンプを押していただき、改札内に入りました。
指宿のたまて箱の到着・乗車
14時49分ごろ、鹿児島中央駅からやってきた指宿のたまて箱5号が到着しました。
この指宿のたまて箱5号は、指宿駅で折返しとなります。
それが、今回乗車の6号です。
5号の乗客全員が下車した後に、列車に乗りました。
ちなみに、行きと同じ車両なので、1号車は予備車です。
指宿のたまて箱2号車
今回乗車したのは、指宿のたまて箱の2号車でした。
内装
2号車の内装は、下の写真のような感じです。
カウンター席と座席周り
2号車の利用だったわけですが、指定された席は9Aでした。
A席は海側の座席ですが、ただの座席ではありません。
なんとカウンター席なのです。
常に海側を向いて座る形となるため、海側の景色がメインとなるこの列車にとって最高の座席です。
今回の座席は、2号車の1号車よりのドアを入ってすぐの位置にあります。


この座席の背もたれは、通路に面している関係で倒すことができません。
上の写真からも分かる通り、もし背もたれを倒すことが出来たら通行の邪魔になります。
また、足もそれほど伸ばすことができなかったです。
その点では、普通の座席のほうが良いかもしれません。
この2点が、カウンター席のデメリットかもしれませんね。
テーブルですが、カウンター席なので隣り合った座席と繋がったものとなっています。

座席のある部分は少し幅が狭くなっていますが、全体的には広々としています。
普通の座席に比べて、明らかに広いです。
また、右側には(後ほど再び登場しますが)ドリンクホルダーがあります。
2号車中央部のカウンター席も基本的には同じです。

その他の座席や設備
2号車中央部の山側の席は、ソファー席となっています。

1号車(予備車)のソファー席は誰でも利用できますが、この座席は指定席の一部(19C, 19D, 20C, 21C)となっています。
また、その脇には本棚のようなスペースがあります。
JR九州の指宿のたまて箱の紹介ページでは「本棚のあるソファコーナー」と説明されていますが、コロナ対策なのか一冊も置かれていませんでした。
運転席すぐ近くの座席は、独特なものとなっています。

上の写真右下は「ベビーベッド」、その奥(右中央部)は「子ども椅子(キッズチェア)」です。
そして、左側のソファー席は保護者が見守るための座席なんだとか。
フリースペースであるため、誰でも利用できます。
LIONとのタイアップ
行きのときは気づかなかったのですが、2号車運転席側のドア近くのカウンター席(ベビーベッドの近く)には、石鹸などでおなじみのLIONのキレイキレイ除菌シートが置かれていました。

これは、指宿のたまて箱を含むD&S列車で実施されている、JR九州とLION(ライオン株式会社)のコロナ禍での取り組みのようです。
JR九州はコロナ禍でもお客さまに快適に列車をご利用いただくため、ライオン株式会社(以下ライオン)とタイアップした衛生プロモーションをD&S列車にて実施いたします。
今回、ライオンが取り組んでいる、「大切な誰かを想い、清潔衛生行動をとる」こと を、ひとりひとりが“リレー”のようにつなげていくという『キレイのリレー』 プロジェクトに賛同し、協働して推進していきます。
※『キレイのリレー』プロジェクトについて(https://kireikirei.lion.co.jp/)D&S 列車における本プロジェクトの活動では、ご利用のお客さまに楽しく快適に列車をご利用いただ くために、『キレイキレイ』製品による車内清潔衛生環境つくりや、清潔衛生に関する専門知識を持つラ イオン衛生マイスターによる「出張清潔衛生授業」を実施する予定です。
実施期間は2021年6月25日から10月31日となっており、この日はその期間内だったようですね。
除菌シート横に置かれているシールなど、その他の取り組みについてはJR九州のホームページをご参照ください。
LIONさんには、自宅のトイレのハンドソープなどでいつもお世話になっております。
キレイキレイ除菌シートを詳しく見ていきましょう。

裏面は、このような感じになっています。

中を取り出すと、折られた状態で入っていました。

広げると、そこそこの大きさでした。

使った感想は、除菌シートだなという至って普通のものでした。
めちゃくちゃ冷たいということもありませんでした。
1号車(予備車)の補足
1号車(予備車)の様子やそこに設置されているものは、1号の記事をご参照ください。

そのときにはありませんでしたが、1号車中央の展望席にノートが置かれていました。

そのノートには、これまでの利用者が書いた文章(利用した記録など)や絵が描かれていました。
僕は何も書きませんでしたが、乗ってみた際には書いてみてはいかがでしょうか。
指宿駅を出発
15時5分ごろ、指宿駅を出発しました。
その際、指宿駅の駅員2名が手を振っていたので、僕も手を振りました。
4時間ぶり、2度目の指宿のたまて箱の旅の始まりです。

カウンター席なので、景色も楽しみやすかったです。

天気も良かったので、最高でした。
車内販売
車内アナウンス
しばらくすると、車内販売が始まりました。
行き(1号)同様、コロナ対策として酒類の提供はありませんでした。
そのほか、食事の制限自体は設けられていないこと、マスクの着用や大声での会話は控えること、1号車の展望席に消毒液が置いてあること、のように行きと同じアナウンスがありました。
購入
案内も終わると、車内販売が始まりました。
今回購入したのは、以下の2つです。
- いぶたまスイーツ(税込720円)
- 指宿温泉サイダー(税込260円)
合計 税込980円
※軽減税率の対象(消費税率8%)となっています。
写真は、後ほど。
本当は「いぶたまプリン」を書いたかったのですが、売り切れていました。
行きで買っておくべきでした・・・涙
行きと同様に、支払いはQUICPayでしました。
サイダーの瓶の栓抜きは、客室乗務員さんが購入後に行いました。
サイダーを注ぐコップも一緒にいただきました。
レビュー
購入したものを詳しく見ていきましょう。
まずは、「いぶたまスイーツ」からです。

JR九州の指宿のたまて箱の紹介ページでは、以下のように書かれています。
特産品にこだわって作られた「いぶたまスイーツ」は、指宿産のそら豆のペーストを練りこんだそら豆クッキーと知覧茶のサブレの詰め合わせです。
720円(税込)
裏には、原材料名などが書かれていました。

中には、2つのサブレ(ー)が入っていました。

相変わらず食レポは苦手ですが、美味しかったです。
ただ、少しボロボロ落ちやすかったかもです。
次に、「指宿温泉サイダー」です。

客室乗務員さんは渡す際にドリンクホルダーに瓶を置き、その上にプラスチックコップを載せました。
JR九州の指宿のたまて箱の紹介ページでは、以下のように書かれています。
唐船峡の清らかな天然湧水を使用した、甘さ控えめのサイダーです。
260円(税込)
唐船峡は指宿市の渓谷で、回転式流しそうめんなどで有名な観光スポットです。
瓶の下には、「天然湧水使用」と書かれていました。

プラスチックコップに注いで、飲みました。
よく冷えていて、とても美味しかったです。
指宿枕崎線の揺れゆえに・・・
指宿枕崎線は、保線状況の関係でかなり揺れます。

1号の記事にも書いたように、指宿のたまて箱に使用されている車両は改造車で、揺れを軽減する装置が着いています。
ですが、それでも揺れはマシになったかなレベルです。

ガタンゴトンの音がうるさくて、客室乗務員さんの車内アナウンスが聞こえにくい時もありました。
行きの1号に乗車した際は特に何かあったわけではありませんが、今回は危ない場面が何回かありました。
例えば、先ほど使ったサイダーの写真の撮影時。

ドリンクホルダーに置いていないときは、揺れで瓶が倒れそうでした。
結構ヒヤヒヤしながら撮った写真だったのです。
また、プラスチックコップに注ぐ際も上下の揺れで瓶を落としそうになりましたし、プラスチックコップに注いだソーダを飲む際にも苦労しました。
ハイヒールを履いた客室乗務員さんの体幹に感銘を受けたものです。
指宿枕崎線の揺れの酷さは何度も利用してるから慣れたけど、特急指宿のたまて箱のキハ47の改造車でも結構揺れるのか・・・
車内販売で買ったサイダーをコップに注ぐのにも飲むのにも一苦労
ハイヒール履いてる仕事してる客室乗務員さんの体幹に感動した
あと、相棒を覚えてくださってのは嬉しかった pic.twitter.com/8Ce4I6irau— TR(ティーアール)ネギトロ (@tr_negitoro) September 20, 2021
喜入駅
15時26分ごろ、喜入駅(鹿児島県鹿児島市)に到着しました。

15時27分ごろ、出発しました。
ちなみに、向かい側のホームには15時34分発の普通・鹿児島中央行きが停車していました。

おそらく、鹿児島中央駅を14時35分ごろに出発して15時14分ごろに喜入駅に到着、この駅で折返しとなる列車だったのでしょう。
喜入・鹿児島中央間は指宿枕崎線の中でも本数の多い区間で、喜入駅で折り返す列車も多いのです。
言霊サービス
指宿のたまて箱では、「言霊サービス」というサービスが行われています。


鹿児島中央駅に到着前のアナウンスのあと、1号車展望席の玉手箱に入っていたメッセージカードの紹介がありました。
鹿児島中央駅に到着
鹿児島中央駅のすぐ南にある踏切近くには、鹿児島にゆかりのあるオリンピックや世界選手権メダリストを祝福の横断幕が掲げられていました。

特に、つい先月閉会したばかりの東京五輪では濵田尚里選手が柔道女子78kg級で金メダルを獲得されています。
濵田選手は鹿児島県霧島市出身で、高校は鹿児島市内の鹿児島南高校を卒業されているそうです。
なので、横断幕にも「鹿南高卒」と赤文字で書かれています。
横断幕は山側に座っていた指宿のたまて箱1号乗車時に気づいたのですが、撮影が間に合わなかったので、今回改めて撮りました。
それでも、反応が遅くなってしまいました。
16時1分ごろ、鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)に到着しました。


このときもミストが出ていました。

というわけで、1時間弱の指宿のたまて箱の乗車でした。

最後に
今回は、指宿のたまて箱6号の乗車レポートでした。
カウンター席は先に埋まるので、早めに座席を確保して、快適な旅にしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。