鹿児島県内を走るJR九州の特急列車である「指宿のたまて箱」。
地名の「指宿」はともかくとして、「たまて箱」と少し変わった列車名となっています。
名前が少し特徴的であるように、列車自体も特徴的なものとなっています。
今回はそんな特急 指宿のたまて箱で鹿児島中央駅から指宿駅まで乗車したので、その様子をまとめてみました。
この記事を作成中、今回の旅程において重大なミスがあったことに気づきました。
詳細は後述していますが、大変申し訳ございませんでした。
目次
「特急 指宿のたまて箱」とは
「特急 指宿のたまて箱」は、JR九州の特急列車のうち鹿児島県の指宿枕崎線を走るD&S列車です。
D&S列車や指宿のたまて箱の詳細は、こちらの記事に書いています。
この記事で説明していますが、全車指定席です。
乗車する前に窓口等で座席の指定をする必要があります。
指宿のたまて箱1号に乗車してみた
2021年(令和3年)9月18日に指宿のたまて箱1号に乗車したので、その様子をまとめました。
【初めに】お詫び
まず、謝罪しなければならない点がございます。
それは、指定されていた席と異なる座席に座っていた点です。
僕が今回購入した指定席券は、以下のものです。
券に書かれているように、指定された席は「2号車5番D席」です。
ですが、今回座っていた席は「1号車5番D席」でした。
乗車中は全く気づかず、この記事を書いている際に気づきました。
勘違いした理由に関してですが、当時の状況等を振り返った結果、次の2点に由来するものかなという結論に至りました。
1つ目は、きっぷに書かれた列車番号の「1号」と車両の「1号車」が僕の頭の中でごちゃまぜになっていた可能性です。
ですが、このような間違え方は初めてでした。
2つ目は元々ネット予約を利用する予定で、そのときは行き(1号)は1号車、帰り(6号)は2号車の座席を取ろうとしていた点です。
しかしながら、予約完了前にもっとお得なきっぷ(指宿レール&バスきっぷ)があることを知り、ネット予約はしませんでした。
その直後にみどりの窓口で「指宿レール&バスきっぷ」を購入し、その際の座席の指定では海側が良いか山側が良いかしか職員の方に伝えておらず、行き(1号)は1号車を指定されたものだと思い込んでいたのかなと考えております。
そして、最後まで気づかなかった理由としては、車内改札がなかったこと、(仮に1号車5番D席が埋まっていた場合の)本当の利用者からの申告がなかったこと、この2点が挙がられます。
もちろん、これは言い訳にしかなりませんが。
キセル乗車のように運賃や料金を少なく払ったというわけではありませんが、正しい乗車ができていなかったことを深くお詫び申し上げます。
同じことを繰り返すことのないよう、再発防止に努めてまいります。
本来は2号車に乗車しなければならなかったのにも関わらず1号車に乗車していた関係で、この記事のレビューは1号車になります。
鹿児島中央駅に到着
毎度おなじみ、鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)にやってきました。
悪天候を心配していましたが、前日のうちに台風14号も過ぎ去り、良い天気となりました。
前日は台風の強風域に入っていましたが、指宿枕崎線に大きな被害がなくて良かったです。
というのも、雨が降ると割と運転見合わせになる路線なのです。
使用したきっぷ
指宿のたまて箱利用にあたって、便利なきっぷがあります。
それは、「指宿レール&バスきっぷ」です。
このきっぷは3150円ですが、鹿児島中央駅と指宿駅や西大山駅までの往復の運賃だけでなく、指宿のたまて箱の指定席特急料金分も含まれています。
指宿のたまて箱を利用した、通常の片道の料金は
1020円(運賃)+ 1160円(指定席特急料金)= 2180円
なので、往復で4000円以上かかります。
ですが、「指宿レール&バスきっぷ」を使えば、1000円近く得するのです。
有効期限は2日間となっているので、2日以内に往復する場合は利用して損はないことでしょう。
このきっぷの購入の際に、指宿のたまて箱の座席の指定を受ける形となります。
今回使用したのは往復ともJR利用のきっぷですが、往路と復路のどちらかをバス利用にしたタイプもあります。
このきっぷの詳細は、別の記事にまとめる予定です。
このきっぷは有人改札を通ることとなっているので、鹿児島中央駅在来線のりばの有人改札にて駅員さんにスタンプを押していただき、改札内に入りました。
指宿のたまて箱の到着・乗車
4番のりばへの階段を降りていた9時39分ごろ、ちょうど指宿のたまて箱がやってきました。
指宿枕崎線は全線非電化路線なので、使用されている列車は気動車です。
後ほど再び触れますが、この列車は浦島伝説にちなんでいるので、扉が開くとミストが出る仕組みになっています。
ミストはそれなりにひんやりしていて、気持ちよかったです。
指宿のたまて箱1号車(予備車)
予備車だった1号車
指宿のたまて箱は通常は2両編成なのですが、この日の1号車は予備車でした。
これは、JR九州の指宿のたまて箱の紹介ページにある座席表と下に掲載している車内の画像の比較からも分かります。
本来の1号車と予備車はかなり座席配置が異なり、本来あるカウンター席が予備車にはありません。
予備車は1号車に代わりに使われることも2号車に代わりに使われることもあり、通常の2両に予備車を増結させて3両運転する場合もあります。
内装
1号車の内装は、下の写真のような感じです。

座席と座席周り
座席を詳しく見ていきましょう。

中央の肘掛けの側面にボタンがあり、それを使って座席を倒すことができます。

写真ではわかりにくいですが、背もたれは結構倒れます。

前の座席の下が空洞になっているため、足もそれなりに伸ばすことができます。
テーブルは、2つの座席の中間にある肘掛けに収納されています。

テーブル自体は、そこまで大きくはないです。

特急白いかもめグリーン車のテーブルよりは大きいかもしれないです。

ビジネス客が利用することも多い白いかもめでは少し問題ですが、観光列車である指宿のたまて箱ではそこまで不便には感じないと思います。
前の座席にはフック(下の写真左上)と大きめのポケット(下の写真下)があります。

ソファーと展望スペース
この1号車(予備車)の中間部には、ソファーと展望スペースがあります。
山側がソファー、海側が展望スペースです。
ソファーなどは通常の1号車や2号車であれば指定席となっていますが、予備車では利用者の誰でも利用できることとなっています。

以下のことが、書かれています。

こちらの座席はどなたでもご利用いただけます。
多くのお客さまがご利用できるよう長時間のご利用はお控えいただき、お待ちの方がいる場合は譲り合ってご利用いただけますようお願いいたします。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。JR九州
ロングシートのように窓の反対側を向いていますが、海側の景色がメインとなるので、むしろ正しい座席の向きですね。
ソファーの反対側、海側にあるのが展望スペースです。

乗車直後は何も置かれていない状態でしたが、しばらくして(鹿児島中央駅停車中に)客室乗務員さんがスタンプなどを置いていました。

記念スタンプは、縦に長い楕円形のスタンプとなっています。

スタンプ台右に置いてある玉手箱のような箱ですが、中を開けると亀の木彫り(?)が入っていました。


この玉手箱(車内表記は「たまて箱」)は、「言霊サービス」に使用するもののようです。

玉手箱の手前にメッセージカードと筆記用具が置かれているので、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
玉手箱に入れられたカードの紹介に関して、この乗車ではなかったものの、帰りの6号に乗車した際は終点の鹿児島中央駅到着前に紹介されていました。
左側には、両面印刷された手書きの観光案内が置かれていました。


(ちなみに)2号車に関して
2号車は、また雰囲気が異なります。

上の写真に本来僕が座るべき座席が映っていますね。
本当にすみませんでした。
2号車の1号車側には、指宿のたまて箱のロゴが描かれた暖簾がありました。

予備車は単体でも走行できる関係で、暖簾の先は運転席横を通る形となっています。
2号車の詳細に関しては、同じ日に乗車した指宿のたまて箱6号の記事に書いています。

鹿児島中央駅で記念撮影
列車が駅に到着してから発車時刻まで、約20分の停車時間がありました。
その間に鹿児島中央駅のホームでは、列車との記念撮影が行われました。
列車の先頭(1号車)を背景に、客室乗務員さんが撮ってくださいます。
僕は自分のスマホで撮っていただきましたが、なにか言ったわけでもなく2枚(縦向きと横向き)撮ってくださいました。
鹿児島中央駅を出発
9時56分ごろ、鹿児島中央駅を出発しました。

約1時間の指宿のたまて箱の旅の始まりです。
客室乗務員が2名乗務していますが、車掌というわけではなくワンマン列車扱いなので、駅を出るとJR九州でおなじみのワンマン放送が始まりました。
その放送が終わると、客室乗務員さんによる案内が始まります。
2名の客室乗務員のうち1名が何回か運転室に入るのを見たので、おそらく運転室から案内していると思われます。
最初の案内では、この列車の名前の由来でもある浦島伝説の話と扉が開く際のミストが出る演出(玉手箱モチーフ)の説明がありました。
少しだけ、序盤の沿線の様子も紹介します。
途中、鹿児島本線と分かれます。

谷山駅(鹿児島県鹿児島市)に近づくと、高架区間となります。
谷山駅や隣の慈眼寺駅(鹿児島県鹿児島市)周辺は、住宅街となっています。

高架区間が終わると、ローカル線らしい風景となっていきます。
車内販売
車内アナウンス
しばらくすると、車内販売が始まりました。
ただ、このときまん防中だったこともあり、コロナ対策として酒類の提供はありませんでした。
もっとも、僕は基本的にお酒は飲まないので、特に何もありませんでしたが。
食事の制限自体は設けられていませんでしたが、マスクの着用や大声での会話の遠慮を呼びかけていました。
また、1号車の展望席に消毒液が置いてあることの案内もありました。
購入
案内も終わると、車内販売が始まりました。
新幹線・在来線特急での車内販売を廃止しているJR九州ですが、D&S列車は例外のようですね。
さて、今回購入したのは以下の2つです。
- いぶたまチョコパン(税込330円)
- 知覧茶(税込170円)
合計 税込500円
※軽減税率の対象(消費税率8%)となっています。
写真は、後ほど。
支払い方法ですが、現金のほか、クレジットカードも使えました。
車内販売のカートの横に対応していると思われる決済方法のアイコンが貼られていたのですが、QUICPayはあったのにIDはなかったんですよね。
もしかしたらIDも使うことが出来るかもしれないので、気になった方は客室乗務員さんにご確認ください。
上の写真に映っていますが、チョコパンとともにおしぼりもいただきました。
また、一緒に飲み物を購入したこともあり、客室乗務員さんにプラスチックのコップを使うかどうか聞かれました。
ただ、今回はペットボトルなので使いませんでした。
レビュー
購入したものを詳しく見ていきましょう。
まずは、「いぶたまチョコパン」からです。

JR九州の指宿のたまて箱の紹介ページでは、以下のように書かれています。
バニラ生地とココア生地で、いぶたま車両の白と黒を表現したオリジナルのパンです。
中身にはチョコクリームが入っており、車内での軽食にオススメです。数量限定のため、無くなり次第販売終了。
330円(税込)
裏には、原材料名などが書かれたシールが貼ってありました。

取り出したあとすぐに写真を取るのを忘れていましたorz
半分に割ると、下の写真のような感じになります。

先ほどの引用文に書かれているように、白と黒に分かれているのが指宿のたまて箱に使われている列車みたいですね。
某YouTuberっぽいと言ってはいけない()
食レポ苦手なのでうまく伝えることができませんが、パン自体の食感はメロンパンに近く、その中にチョコが入っている感じでとても美味しかったです。
ただ、メロンパンあるあるだと思うのですが、ポロポロ落ちてしまうので、車内で食べるのは少し大変かもしれませんね。
次に、「知覧茶」です。

ラベルに説明が書かれているので、引用させていただきます。(原文は縦書き)
薩摩の小京都「知覧」、今もなおゆっくりとした時間が流れる町。
この町の小高い山あいにある緑豊かな茶畑で慈しむように育まれてきた知覧茶は芳しいまでの薫りと風味豊かな味わいに満ちています。
ふくいくたる一服のお茶でくつろぎの時間をお過ごしください。
同じくラベルには「白波通販ショップ」のURLが記載されています。
お茶のレビューはどうすれば良いのかわからないので、パスしますw
鹿児島市街地と桜島
さて、最初の撮影スポットが近づいてきました。
鹿児島といえば、桜島。
ということで、客室乗務員さんから桜島の案内がありました。
溶岩が流れて大隅半島と繋がったなどの説明ですね。
その区間では鹿児島市街地とその奥に見える桜島を楽しむことができます。

撮影してみて思ったのが、意外と難しいですw
茂みに何度か入るので、下の写真のようによく失敗してしまいます。


市街地と桜島が見える区間はそれなりに長いので、根気強く撮影してみましょう。
しばらくすると、指宿枕崎線は国道226号と並走して海沿いを走ります。

天気が良かったので、鹿児島湾(錦江湾)の青色がとにかく綺麗でした。
(いい写真がありませんでしたorz)
喜入駅
最初で最後の途中停車駅である喜入駅に近づいてきました。
駅到着前に喜入駅の説明(漢字の縁起の良さに関して)がありました。
このブログでは初期に喜入駅について触れており、駅構内にその説明があります。


まだ「令和」が始まる前、というか令和に決まる前の出来事でした。
そして、観光列車の駅ではあるものの、喜入駅利用の方の乗り降りを確認したらすぐに発車するというアナウンスもありました。
10時26分ごろ、喜入駅(鹿児島県鹿児島市)に到着しました。

SUGOCAやSuicaなどの交通系ICカードを使えるのは喜入駅までとなっている(喜入駅はSUGOCA鹿児島エリア最南端の駅である)ため、指宿駅までの乗車では交通系ICカードを利用することは出来ません。
また、喜入駅はチャージ(入金)のみ出来る駅となっています。
この駅で何かしらのことが行われるわけではないため、割とすぐに扉は閉まりました。
その際に、運転士さんによるドア閉めの案内がありました。
10時27分ごろ、喜入駅を出発しました。
車内での記念撮影
喜入駅出発後、車内での記念撮影が始まりました。
今回は、自分の座っている座席での写真撮影です。
僕は鹿児島中央駅で撮っていただいていましたが、車内でも撮っていただきました。
大河ドラマ「篤姫」と薩摩今和泉
生見駅(鹿児島県鹿児島市)と薩摩今和泉駅(鹿児島県指宿市)の間の区間でも、綺麗な鹿児島湾を眺めることが出来ました。

さて、途中の通過駅の1つである薩摩今和泉駅ですが、薩摩今和泉という場所は天璋院篤姫のゆかりの地なのです。
天璋院篤姫といえば、大河ドラマ「篤姫」で有名ですよね。
ということもあり、薩摩今和泉駅を通過する前に篤姫にまつわる案内がありました。
ちなみに、グーグルマップで「篤姫ゆかりの地」と検索すると、薩摩今和泉駅近くのポイントが示されます。
ここはスポット兼駐車場みたいな感じになっているので、ここを起点に周辺のゆかりの施設を訪れるのもいいと思います。
薩摩今和泉駅に指宿のたまて箱は停車しないですけど・・・。
山側の座席の宿命
さて、今回は山側(西側)の座席だったわけですが、基本的に山側に写真スポットはないですw
客室乗務員さんによる案内も、基本的に海側の風景です。


ただ、海が見えるスポットでは席を立って景色を眺めたり写真を撮ったりすることが出来ますし、それ以外のことはどの席でも大して変わらないので、山側でも楽しむことができます。
これが、頑張って絞り出した山側の座席の魅力です・・・w
なので、早めに海側の席を取ることをオススメします。
指宿駅に到着
指宿駅に近づいてきた10時46分ごろ、まもなく指宿駅に到着する旨のアナウンスがありました。
その後、この列車のモチーフにもなっている浦島伝説の説明や指宿市の観光案内がありました。
また、枕崎行きの列車の乗換案内もありました。
10時48分ごろ、指宿駅(鹿児島県指宿市)に到着しました。

約50分と短い乗車時間ではありましたが、素敵な時間を過ごすことが出来ました。

ずっと車体の海側の白い部分ばかり見ていたので、跨線橋(上の写真右上に映っている橋)を渡り、山側の黒い部分も見ました。

白い面を見るか、黒い面を見るか、でだいぶ印象が変わりますね。
指宿枕崎線揺れ過ぎ問題と指宿のたまて箱
指宿のたまて箱が走る指宿枕崎線は、日本一揺れる路線とも言われるくらい、とにかく揺れます。

以前公開したこちらの記事、思った以上に読まれているみたいですねw
ありがとうございます。
結論としては、「だいぶマシになってる」です。
使われている車両は改造車で、揺れを軽減する装置がついているのですが、個人的にはあまり良くはなっていないなと思いました。
マシになっているレベルというだけで、結構揺れます。
「ガダンゴトン」もうるさいです、正直言って。
指宿のたまて箱をもってしても揺れが大きく感じる出来事が、帰りの6号ではあったのでした・・・。

もっとも、指宿駅までの運行である「指宿のたまて箱」ですが、指宿駅より先の枕崎方面の方が揺れがひどかった気がします。
なので、鹿児島中央・指宿間自体はマシな区間と言えるかもしれませんが。
あと、揺れとは関係ないですが、気動車なのでエンジン音がうるさいかもですね。
最後に
今回は、指宿のたまて箱1号の乗車レポートでした。
指宿のたまて箱への興味がある方に対して魅力を伝えることが出来ているのであれば、筆者として嬉しい限りです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。