GW(ゴールデンウィーク)が近づいていますが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないですね。
僕は、GW中は食材の買い出しなどの最低限の外出を除いて、家に引きこもっている予定です。
さて、JR九州から2020年のGW(ゴールデンウィーク)の運行計画が発表されました(実際はGWに限定して発表されたわけではありません)。
この内容がなかなか大胆で話題になりましたね。
今回は、JR九州の運行計画についてまとめてみました。
目次
JR九州のGWにおける運行計画
JR九州によると、GW中は以下のようにするとのことです。(ただし、発表自体はGWに限定したものではない)
- 九州新幹線、在来線特急・快速・普通列車の一部運休及び運転区間変更
- 5月2日から6日まで、在来線のすべての特急列車が運休
5月2日(土)から5月6日(水)の4連休は全ての在来線の特急列車の運休ということですが、なかなかですよね。
JR九州には、21種類の特急があります。
特急名 | 主な運転区間 |
かもめ | 博多〜長崎 |
みどり・九十九島みどり | 博多〜佐世保 |
ハウステンボス | 博多〜ハウステンボス |
ソニック | 博多〜大分 |
にちりん | 大分〜宮崎空港 |
にちりんシーガイア | 博多〜宮崎空港 |
きらめき | 博多〜小倉 |
きりしま | 鹿児島中央〜宮崎 |
ひゅうが | 延岡〜宮崎空港 |
かいおう | 博多〜直方 |
ゆふ | 博多〜別府 |
ゆふいんの森 | 博多〜由布院 |
かわせみ やませみ | 熊本〜人吉 |
いさぶろう・しんぺい | 熊本〜吉松 |
SL人吉 | 熊本〜人吉 |
A列車で行こう | 熊本〜三角 |
あそぼーい! | 阿蘇〜別府 |
九州横断特急 | 阿蘇〜別府 |
指宿のたまて箱 | 鹿児島中央〜指宿 |
はやとの風 | 鹿児島中央〜吉松 |
海幸山幸 | 宮崎〜南郷 |
或る列車 | 博多〜ハウステンボス、佐賀〜長崎 |
こうしてみると、かなりの数の特急があることが分かります。
これらが、全て運休になるのです。
また、特急にちりんの運休に伴う車両運行上の宮崎・宮崎空港間の普通列車の一部が運休となります。
どの列車が運休になるか、運行区間が変更となるか、などの詳細の情報は、JR九州からの案内をご参照ください。
また、臨時列車も出るのですが、それについては後述します。
特急列車が運休になって影響の出る区間
やはり在来線の全ての特急列車が運休になるわけですが、影響の出る区間があります(新型コロナウイルスの影響で利用者がかなり減少しているので、大きな影響が出るわけではありませんが)。
ここでは、特急列車の運休による影響を「移動時間」「普通列車の本数」の2つで解説します。
移動時間の問題
特急の最大の利点は、移動時間の短縮でしょう。
普通列車や快速列車に比べて特急列車は停車駅の数が少ないこと、より速いスピードの専用の車両を使うことが理由でしょう。
そして、普通列車などと比べて長距離走る傾向にあるので、乗り換えの回数を減らすことも出来ます。
博多・長崎間(特急かもめの運行区間)
博多駅(福岡県福岡市)と長崎駅(長崎県長崎市)の移動です。
博多駅から長崎駅までは、特急かもめを利用すると約2時間かかります。
ですが、特急列車が運休となると、大幅に時間がかかってしまいます。
問題はそれだけではありません。
後述しますが、長崎本線の佐賀県と長崎県の県境をまたぐ普通列車は1日に7本しかありません。
一応、佐世保線・早岐駅(長崎県佐世保市)経由という選択肢はありますが。
小倉・大分間(特急ソニックの運行区間)
次に、小倉駅(福岡県北九州市)と大分駅(大分県大分市)の移動です。
小倉駅から大分駅まで、特急ソニックや特急にちりんシーガイアなどを利用すると約1時間半かかります。
ですが、普通列車だけとなると、実際に乗ったことのある方なら分かると思いますが結構時間がかかります。
大分・宮崎間(特急にちりんの運行区間)
最後に、大分駅(大分県大分市)と宮崎駅(宮崎県宮崎市)の移動です。
大分駅から宮崎駅まで特急にちりんなどを利用すると、約3時間かかります。
特急でも3時間かかるほど遠い(あまりスピードを出せないのも理由の一つかも)わけですが、これが普通列車だけとなるとそれ以上に時間がかかります。
ただ個人的には、それ以上に後述の宗太郎越え含め、そもそも普通列車の本数が少ないことがネックだと思っていますす。
普通列車の本数の問題
次に、普通列車の本数の問題です。
特急列車がすべて運休になると、元々普通列車の本数が少なかった区間の移動が困難となります。
青春18きっぷや改元記念きっぷなど、普通列車と快速列車にしか乗ることの出来ないきっぷを使ってJR九州管内を移動したことがある人であれば分かると思いますが、大変な区間がまあまああります。
JR九州管内においては、多くの県境付近で元々の普通列車の本数が少ないです。
そもそも県境付近の普通列車が少ないのは、単にその間の区間にある駅の利用者が少ないからです。
必要ないから普通列車が少ないのです。
そこを通り過ぎるだけなら(特急料金はかかるけど)特急に乗ればそこまで気になりません。
しかしながら、特急が運休になるとその区間を通る移動に支障が出るのです。
以下は、個人的にJR九州管内で普通列車の本数が少ないと感じる区間です。
大分県と宮崎県の県境(宗太郎越え/日豊本線)
まずは、日豊本線の延岡駅(宮崎県延岡市)と佐伯駅(大分県佐伯市)の間の区間です。
この区間は、普通列車が1日1往復半しか走っておりません。
特に、「佐伯→延岡」は朝一の列車のみです(佐伯駅発の普通列車は何本かありますが、延岡駅まで行くのは朝一の列車のみ)。
この宗太郎峠は古くからの交通の難所であり、「宗太郎越え」とも呼ばれています。
宗太郎越えの詳細は、こちらの記事で詳しく書いています。
普段は、特急列車(にちりん、にちりんシーガイア)が上下線ともに1,2時間に一本走っています。なので、大分県と宮崎県の移動にはそこまで困ることはありませんでした。
ですが、特急が全て運休となれば話は変わります。
佐賀県と長崎県の県境(長崎本線)
宗太郎越えの印象が大きいせいか、あまり知られていない区間です。
佐賀県最南端の肥前大浦駅(佐賀県藤津郡太良町)と隣の小長井駅(長崎県諫早市)は普通列車しか止まらない駅ですが、この間を走る普通列車は上下線で7往復しかありません。
加えて、この区間は6時間ほど普通列車が走らない時間帯があります。
この区間は特急かもめが1時間に1,2本のペースで走っているので、通り過ぎるだけならなにも困ることはありません。
ですが、特急が全て運休となれば話は変わります。
僕が1年前に青春18きっぷで5日間の旅行を計画していたときに長崎駅に行くのを断念したのも、普通列車だけでの移動で長崎駅に向かうのはかなり大変だからでした。
そして、この区間の救済措置はありません。
熊本県と鹿児島県・宮崎県の県境(肥薩線)
人吉駅(熊本県人吉市)と吉松駅(鹿児島県姶良郡湧水町)の間の区間です。
肥薩線の中でも「山線」と呼ばれるこの区間は、普通列車の本数が非常に少なく、1日に
そのため、青春18きっぷでの移動に苦戦する区間でもあります。
この区間は、後述しますが臨時列車が運行されます。
ただ、九州新幹線は本数が減っているものの運行しているので、単なる鹿児島県と熊本県の移動なら問題はないと思います。
宮崎県と鹿児島県の県境(日豊本線)
最後に、西都城駅(宮崎県都城市)と国分駅(鹿児島県霧島市)の間の区間です。
この区間は先ほどの佐賀県と長崎県の県境ほどではないものの、6時間ほど普通列車が走らない時間帯があります。
宮崎県出身で現在鹿児島県在住なので、よくわかります。
余談ですが、宮崎駅(宮崎県宮崎市)と鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)を結ぶ「特急きりしま」は、特急かもめとは違い全然時間の短縮にならないです。
「特に急がない特急」なんて言われたりw
上の「移動時間」の項目に入れなかった理由は、そういうことです。
全然時間の短縮にならないので本当は特急料金がもったいないと思っているのですが、普通列車が少ないので仕方なく特急きりしまに乗車することが多いです。
1年前に青春18きっぷで5日間の旅行した際に、やむを得ず乗車券と特急券を使用した区間でもあります。(半分くらいの原因は僕ですが)
この区間も救済措置はありません。
ちなみに、ヤフー乗り換えアプリで「4連休中の午前11時に都城駅(宮崎県都城市/都城市は宮崎県第2の都市)を出発して鹿児島中央駅(鹿児島県鹿児島市)に向かう」ルートを検索したら、一番早く着く方法は「JR線で南宮崎駅(宮崎県宮崎市)に向かい、鹿児島市に向かう高速バスに乗り換える」ことのようです。
要するに、鹿児島市に行きたいのに一旦逆方向である宮崎市まで行くのが最も早く着くルートとして出るのです。
臨時列車
在来線特急の運休に合わせて、一部区間で臨時列車が出ます。
宗太郎越え
前述の通り、延岡・佐伯間の普通列車は1日に1.5往復しかないため、特急列車が運休になると両駅を移動すること自体が困難となってしまいます。
そのこともあって、JR九州はこの区間に臨時列車を走らせることとしました。
佐伯・延岡間の他の駅には停まることはないです。
なので、佐伯・延岡の間の駅(宗太郎駅など)の利用者には何も影響ないです。
肥薩線・山線
宗太郎越えの臨時列車のインパクトが強くて全然話題になっていませんが、肥薩線の山線でも臨時列車が出ます。
この区間は、あくまでも特急いさぶろう・しんぺいの人吉・吉松間の代わりとして、臨時の普通列車が出るようです。
最後に
今回は、2020年GWのJR九州の対応とそれによって宗太郎越えがどうなるのかを解説しました。
この状況でどうしても移動しなければならない方は、ご注意ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。