このブログでは、これまで様々なJR九州のきっぷを紹介・解説してきました。
今回は、「みんなの九州きっぷ」(2021年秋冬版)を解説していきます!
おそらく期間限定の切符となるので、ぜひ参考にしてください。
(追記)2022年(令和4年)3月まで延長となりました。
基本情報は、2021年秋冬版と同じです。
目次
「みんなの九州きっぷ」とは
概要
JR九州のホームページには、以下のように説明されています。
⼟曜⽇、⽇曜⽇限定!3⽇前までの予約で九州新幹線を含むJR九州の特急列⾞、快速・普通列⾞に連続する2⽇間乗り降り⾃由なきっぷです。
JR九州にはいくつかの乗り放題きっぷがありますが、このきっぷは連続した土日限定ではあるものの新幹線を含めたJR九州全線乗り放題のきっぷとなります。
元々2020年(令和2年)7月〜9月に初設定され、2度の延期を経て2021年3月まで発売されていた当きっぷ。
それが、(値上がりとサービス追加で)2021年の秋に帰ってきた形となります。
JR九州のホームページ内に、専用のページが用意されています。
みんなの九州きっぷには「全九州版」と「北部九州版」の2種類があります。
下の写真は、「全九州版」です。

利用できる路線
みんなの九州きっぷには「全九州版」と「北部九州版」があり、それぞれ利用できる路線が異なります。
全九州版
その名の通り、JR九州のすべての路線を利用できます。
この中には、九州新幹線全区間(博多・鹿児島中央間)と山陽本線の門司・下関間も含まれています。
北部九州版
こちらは、豊肥本線以北のJR九州全線と鹿児島本線の熊本・宇土間、三角線全線(宇土・三角間)が利用できます。
この中には、九州新幹線の博多・熊本間と山陽本線の門司・下関間も含まれています。
超ざっくり言えば、大分駅と三角駅の最短ルート上とその北部はオッケーとなります。
誤解を生みそうですが、イメージとしてはそんな感じです。
もし上記の説明がわかりにくいと感じましたら、JR九州のサイトに地図が載っているので、そちらをご参照ください。
利用できる列車
このきっぷの最大の特徴は、普通車自由席であれば新幹線・在来線特急含め乗り放題です。
きっぷ1枚で新幹線までも乗り放題なのは、かなりすごいことです。
また、普通車指定席にも6回まで乗車できます(事前に座席の指定が必要)。
なので、D&S列車のような全車指定席の列車であっても、(満席時を除き)回数を消費することで乗車することができます。
しかも、指定席料金もかかりません。
詳細は、以下の表をご参照ください。
設備 | 利用可否 | ||
九州新幹線 | グリーン車指定席 | ▲ | |
普通車指定席 | ○ | ||
普通車自由席 | ◎ | ||
特急列車 | グリーン車指定席 (36ぷらす3含む) | ▲ | |
DXグリーン | ▲ | ||
グリーン個室 | ▲ | ||
ボックスシート | ■ | ||
普通車指定席 | ○ | ||
普通車自由席 | ◎ | ||
D&S列車 | あそぼーい! | 白いくろちゃんシート | ■ |
パノラマシート | ■ | ||
ボックスシート | ■ | ||
普通車指定席 | ○ | ||
普通車自由席 | ◎ |
【凡例】
◎ | 「みんなの九州きっぷ」のみで利用可能 |
○■ | 指定席の利用回数は6回まで。 指定利用回数を超えて指定席を利用する場合は、別に指定料金券を購入する必要あり。 乗車になる前に「指定席券売機(「■」は除く)」や「みどりの窓口」で指定席を予約、 受け取り後に利用可能。 |
▲ | 別に通常のきっぷ(特急券・グリーン券)を購入する必要あり ※「みんなの九州きっぷ」は乗車券部分のみ有効 |
(JR九州ホームページの情報を元に作成)
ただし、36ぷらす3利用時にみんなの九州きっぷが乗車券としての効力を果たすのはJR九州の路線のみで、肥薩おれんじ鉄道の区間は別途運賃が必要となります。
特急「36ぷらす3」で肥薩おれんじ鉄道を通過する区間などをご利用の場合は、肥薩おれんじ鉄道部分の「乗車券」が別途必要となります(JR九州の駅のみでの発売)。
指定席の利用回数を消費すると、みんなの九州きっぷにその回数分「★」が印字されることとなっています。

指定席利⽤回数は、改札を出ずに列⾞を乗り継ぐ場合であってもそれぞれ1回とカウントされてしまう点には注意が必要です。
在来線特急の乗り継ぎだろうと、基本的にはそれぞれカウントされてしまいます。
ただし、次の場合は、あわせて1回とします。
- 九州新幹線の改札内で乗り継ぐ場合
- 博多〜宮崎空港間の特急列⾞を別府または⼤分の改札内で乗り継ぐ場合
上記のような指定席券を発券すると(当きっぷに限らず)1枚に2つの新幹線や特急が書かれた指定券になるはずなので、指定席利用回数は実質発券した指定席券の枚数と同じと考えても良いかもしれませんね。

特典
みんなの九州きっぷには、いくつかの特典があります。
レンタカー利用券
全九州版と北部九州版ともに、「レンタカー利用券」が特典として付いてきます。

この券を使用することで、九州内の「駅レンタカー」を(みんなの九州きっぷ有効期間内に限り)以下の価格で利用することができます。
料金3,900円×ご利用日数/Sクラス(免責補償料込、オプション費別)
レンタカー利用の際は事前予約が必要で、2日前までに専用ホームページで申し込む必要があります。
JR九州ホームページ内で示されているURLは駅レンタカーのメインページとなっていて少しわかりにくいので、当ブログではみんなの九州きっぷ購入者専用ページのリンクを添付しております。
ただし、利用時(当時に店舗を訪れた際)に乗車人員分の「レンタカー利用券」提出と「みんなの九州きっぷ(本券)」を提示する必要があります。
当然ながら、営業時間内に返却できなかった場合は別途超過料金が発生します。
詳細や予約の流れなどは別の記事にまとめていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

B&Sみやざき利用券(全九州版のみ)
全九州版には、「B&Sみやざき利用券」もあります。

「B&Sみやざき」は新八代駅と宮崎駅を結ぶ高速バスで、九州新幹線全線開業に合わせて運行開始されたものです。
また、上下線ともに新八代駅で九州新幹線「さくら」と接続しているので、宮崎と博多方面を快適に移動することができるようになっています。
話を戻すと、みんなの九州きっぷ全九州版購入者は「B&Sみやざき10周年記念特別乗車券」として、通常は片道4350円のところ、(みんなの九州きっぷ有効期間内に限り)3000円で高速バスB&Sの乗車券を購入することができます。
こどもは、おとなの半額です。
JR九州のみどりの窓口にて「B&Sみやざき利用券」の引き換えと「みんなの九州きっぷ(本券)」の提示をした上で予約することで、「B&Sみやざき10周年記念特別乗車券」を購入することができます。
利用券はみんなの九州きっぷ1枚に付き1つしかないため、片道でしか恩恵を受けることができない点には注意が必要です。
発売期間・利用期間および発売価格
発売期間・利用期間は、以下の通りです。
発売期間 | 2021年10月6日(水)〜2021年12月22日(水) |
---|---|
利用期間 | 2021年10月9日(土)〜2021年12月26日(日) |
日曜日だけの利用の場合であっても、土曜日出発分を購入する必要があります。
また、11月3日(祝水/文化の日)と11月23日(祝火/勤労感謝の日)は対象外です。
(追記)延長となった2022年3月までの「みんなの九州きっぷ」も同様で、土曜日出発分のみ購入可能であり、2月23日(祝水/天皇誕生日)は対象外です。
また、「全九州版」と「北部九州版」のそれぞれの発売価格は以下のとおりです。
全九州版 | おとな:15000円 こども:2000円 |
---|---|
北部九州版 | おとな: 8000円 こども:1000円 |
こども用はかなり安いですが、大人用と一緒に購入して一緒に行動する必要があります。
なので、こどもだけでの利用はできません。
- こども用は大人用と同時に購入し、同一の行程を利用される場合に限り有効です。単独での購入・利用はできません。
※大人用、こども用をあわせて4名まで同時に購入できます。
購入に関して
購入はネット限定となっており、自動券売機や駅の窓口等では購入できません。
「JR九州Web会員」に登録して、「JR九州インターネット列車予約」にて3日前までに予約する必要があります。
きっぷの有効期限は土曜日からなので、実質利用する週の水曜日までが購入期限となっています。
より正確には、JR九州のホームページに書かれている時刻までに支払いまで完了させておく必要があります。
23時59分が期限ではありません。
ご利用日の1カ月前から3日前の23時までに予約・決済(支払い)を行っていただいた場合に発売します。ただし、お支払い方法で「コンビニ・ATM・」を選択した場合はご利用日の3日前の22時30分まで、「駅・窓口」を選択した場合はご利用日の3日前の23時30分までにお支払いを完了していただく必要があります。
※お支払いは、お支払いをされる箇所の営業時間内で、かつ上に記載の時間内とします。
駅窓口での支払いの場合、主要駅であればそこまで営業時間を気にする必要がありませんが、現在JR九州管内の有人駅の営業時間が非常に短いのでご注意ください。
その点、クレジットカード決済の場合は予約完了と同時に支払う形となるので、一番便利かと思います。
その他システムメンテナンスなどで期限が早まる可能性もあるようなので、支払い方法に限らずゆとりを持った予約と支払いをしておくのが無難でしょう。
きっぷの受け取りに関して
予約はネット上で行いますが、きっぷの受け取り・指定席券の発券は自動券売機や駅の窓口等ですることになります。
注意が必要なのが、有効期間中の日曜日(有効期限最終日)には受け取れない点です。
日曜日だけの利用の場合も土曜日出発分を購入する必要があります(前述参照)が、きっぷの受取期限は有効開始日までとなっており、実質的に土曜までに受け取る必要があるのです。
JR九州の「よくあるお問い合わせ」にて2つの例が紹介されているので、そちらをご参照ください。
その他
その他の注意点(きっぷの変更・払い戻しなど)や特典は、JR九州のホームページをご参照ください。

実際に購入してみた
利用するために実際に当きっぷを購入したのですが、指定席券を含めたみんなの九州きっぷの予約・購入の流れなどは別の記事にまとめています。


実際に使用してみた
2021年11月13日および14日、実際に使用しました。
その様子は、別の記事にまとめています。


駅レンタカーのみんなの九州きっぷ購入者特典プランを実際に利用した様子は、当プランの予約の流れなどをまとめた記事にも記載しています。

元を取るには
「みんなの九州きっぷ」は個人的にかなりお得なきっぷだと思っていますが、どれくらい乗れば元が取れるのかを紹介しようと思います。
全九州版
九州新幹線を全区間(博多・鹿児島中央間)乗車した場合、通常は自由席利用で片道10110円(運賃5610円・新幹線自由席特急料金4500円)かかります。
往復となると、倍の20220円ですね。
また、博多・鹿児島中央間の新幹線利用の場合は7日前までのネット予約で安く購入できる(九州ネット早得7)のですが、それが片道8500円(運賃と指定席特急料金の合計額)です。
往復だと、倍の17000円ですね。
みんなの九州きっぷ全九州版は15000円なので、博多・鹿児島中央間を新幹線で1往復しただけで元が取れてしまいます。
しかも、九州新幹線も自由席利用なら何回でも利用可能なので、どれだけおトクなきっぷかが分かるかと思います。
乗り放題きっぷなので在来線も含めた利用が前提にあるきっぷだと思いますが、博多・鹿児島中央間の日帰り往復のためだけに購入しても得してしまうのです。
北部九州版
全九州版と同様、九州新幹線で考えてみましょう。
通常、博多・熊本間は自由席利用で片道4700円(運賃2170円・新幹線自由席特急料金2530円)、往復9400円です。
みんなの九州きっぷ北部九州版が8000円であることを考えると、博多・熊本間の1往復で元が取れてしまうことになります。
ただし、博多・熊本間のきっぷを九州ネット早得7で購入すると、片道3200円(運賃と指定席特急料金の合計額)です。
往復だと6400円なので、北部九州版の8000円に届きません。
なので、博多・熊本間の1往復半でもとが取れると言った方が良いかもしれません。
もっとも、新幹線を含めた乗り放題というきっぷの効力を踏まえると、かなりお得であることには変わりありません。
まとめると
新幹線の乗車のためだけに「みんなの九州きっぷ」を使用するというのはあまりオススメしませんが、新幹線の利用を挟めばかなり得するきっぷだということが分かっていただけたのではないでしょうか。
実際に使って得した額
先ほども触れたように、きっぷは実際に使用しました。

実際に使った路線・列車や本来かかったであろう正確な金額は当日の様子を書いた記事の最後の方に記載していますが、通常のきっぷだった場合に必要な料金は元のきっぷの金額(15000円)の倍くらいでした。
つまり、きっぷと同額くらいを得したのです。
新幹線は3回しか乗りませんでしたが、それでもこれだけ得することが出来ました。
何なら、乗車券分だけでほぼ元を取ることが出来ました。
最後に
今回は、2021年秋冬版のみんなの九州きっぷの解説を行いました。
かなりお得なきっぷなので、土日にJR九州を利用する際には検討してみてはいかがでしょうか。
現時点では12月までなので、ご利用はお早めに。
今回は何度利用期間が延長となるかは分かりませんが、ぜひ有効活用してくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。