座席の種類は航空会社によってまちまちですが、どの航空会社であっても非常口座席という座席があります。
今回は日本の中堅航空会社(MCC; Middle Cost Carrier)の1つ・スカイマーク(Skymark)の非常口座席を利用してみたので、その様子をまとめました。
また、当ブログで初めてのスカイマーク搭乗記事になるので、サービスについても軽く触れています。
目次
スカイマーク非常口座席利用の注意点
予約時には選べない!
JALやANAといった大手航空会社同様に無料で座席指定が可能なスカイマークですが、事前の座席指定で非常口座席を選ぶことができません。
非常口の座席指定は事前座席指定ができませんので、搭乗日当日に空港にてお申し出ください。なお、非常口座席をご利用いただく場合には制限がございます。詳細は「非常口座席をご利用のお客様へ」をご覧ください。
事前指定ができないので、搭乗する日に空港で選ぶ必要があります。
このブログでは、以前JALの非常口座席について紹介しました。
このときは、予約時の座席指定で非常口座席を選んでいます。
利用制限
また、どの航空会社でも言えることですが、非常口座席を利用するには条件があります。
国土交通省からの通達により、2009年4月1日から、お客様の安全を確保するため、非常口座席には以下のすべての項目を満たすお客様に限りご着席いただくこととなりました。
当該通達に従いまして、非常口座席をご希望のお客様には以下の内容の確認をさせていただきます。ご協力をお願いいたします。
- (1)満15歳以上の方
- (2)ご搭乗に際して付き添いの方や係員のお手伝いを必要としない方
- (3)航空機ドアの開閉など、緊急脱出を援助することができる方
- (4)脱出手順の案内および乗務員の指示を理解し、他のお客様に口頭でそれを伝えられる方
- (5)緊急脱出時に同伴者を援助する必要のない方
- (6)緊急脱出を援助することに同意する方
非常口座席に着席されるお客様には、非常時において乗客全員の迅速な脱出を援助していただくため、客室乗務員の指示のもと、緊急脱出時を援助することをお願いいたします。
なお、当てはまらない項目がある場合、非常口座席には着席できません。出発当日、空港、客室でも同様の確認をさせていただきます。ご了承のほど、お願いいたします。
誰でも利用できる座席ではないという点には、注意が必要です。
座席数
スカイマークの使用機材は、ボーイング737-800のみです。
177席あるうち、2列分(15列目と16列目)の12席が非常口座席となっています。
実際に利用してみた
ここからは、実際にスカイマークの非常口座席を利用したときの様子です。
今回搭乗したのは、2022年(令和4年)9月3日のスカイマーク636便(鹿児島空港発・中部国際空港行き)です。
チェックイン(搭乗手続き)時に座席変更
鹿児島空港のスカイマークのチェックインカウンターは、入り口から見て建物1階の右端にあります。

まず、自動チェックイン機を使って搭乗手続きを行ったのですが、その際に座席変更を行いました。
自動チェックイン機の説明に従って操作していくと、途中「座席を変更」という項目が出てくるので、そこをタップしました。
このとき非常口座席(画面では非常口座席は専用のアイコン付き)は空いていたので、座席を変更することにしました。
手続きが終わり、搭乗券を発券しました。
搭乗券には今変更した座席が記載されています。

また、この日は預け荷物もあったため、手荷物タグも一緒に受け取っています。
スカイマークホームページには「荷物につけるタグは、お預けになる手荷物の取っ手にお客様ご自身でお付けください。」と書かれていますが、このときは近くにいた地上係員の方に付けていただきました。
その後、隣にあるバゲージカウンター(チェックインカウンター)で荷物を預け、チェックイン時の手続きを全て終えました。
搭乗
空港には少し早めに来ていたので、空港2階にあるレストランで昼食を取りました。
さて、保安検査場を通過し、4番搭乗口前にやってきました。

この日は、台風11号(Hinnamnor)の影響で雲が多かったです。
というか、台風を警戒して搭乗日を1日早めてますから、もし予定通り4日に搭乗したらもう少し天気が悪かったかもしれませんね。

地上係員さんからは、ご案内予定時刻は13時5分という案内がありました。
13時3分ごろにはお手伝いを必要とする方と最前列フォワードシート利用者の優先搭乗が始まりました。
13時6分ごろ、窓側(A席およびH席)と非常口座席(15列目と16列目)の搭乗が始まりました。

スカイマークの非常口座席
それでは、スカイマークの非常口座席を見ていきます。
なお、スカイマークの使用機材はボーイング737-800のみなので、スカイマーク便であればどれも同じかと思います。
今回指定した「15H」は窓側の座席なので、隣が非常口となっています。

座席の見た目は、他の普通席と基本的に同じだと思います。

ですが、違いといえば何と言っても前の座席との間隔が広いことでしょう。

写真では分かりにくいですが、結構広いです。
何となくですが、通常の普通席の前の座席の位置は非常口左部くらいだと思うので、その点から広さを想像していただけるかと思います(あくまで何となくですが)。

そのため、ゆったりと足を伸ばすことができます。
上の写真にチラッと写っていますが、スカイマークではすべての座席に対してコンセントがあります。

前の座席には「非常口座席 EXIT SEAT」とというステッカーが貼られており、非常口の使用方法が描かれています。

そして、その下の座席ポケットには非常口座席案内が入っています。
片面に日本語で、反対側に英語で案内が書かれています。
CAさんからは、出発前までに非常口座席案内を読むように言われました。


非常口座席に
ご着席のお客様へ非常口座席にご着席のお客様には、緊急脱出の援助をお願いしています
援助内容
1. 客室乗務員の指示に従い緊急脱出の援助を行うこと
- 非常口を開放するまでの間、ほかのお客様を制止すること
- 非常口または非常口下(翼の下)で、ほかのお客様を援助すること
- 「遠くへ逃げて」のように、速やかに飛行機から離れて逃げるように声を掛けること
- その他(必要に応じ乗務員が具体的に指示させていただきます)
2. 乗務員の指示により非常口を操作すること
- 「安全のしおり」で非常口操作方法を確認し、非常口を解放すること
- 非常口を操作する前に非常口付近の外の状況を確認し、火災等により非常口として適さない場合は非常口を解放しないこと
上記の内容を実施できない、または援助を実施することに同意されないお客様は非常口座席にご着席いただけませんので、客室乗務員にお知らせください。
ご搭乗後、早い機会に備え付けの「安全のしおり」をよくお読みください。
非常口座席にご着席いただけるお客様
緊急時の援助を実施するにあたり、以下の条件を全て満たすお客様に限りご着席いただけます。
- 満15歳以上の方
- 緊急脱出の援助を実施することに同意し、実施ができる方
- 乗務員の指示を理解し、ほかのお客様へ口頭で伝えられる方
- 緊急脱出に際してお手伝いを必要としない方
- 緊急脱出時に同伴者の援助をする必要がない方
上記の内容に関して、スカイマーク公式ホームページにイラスト付きで説明されています。
また、非常口座席では手荷物は必ず収納棚に収納する決まりとなっています。
非常口座席のお客様へのお願い
非常口座席では、足元や膝上に手荷物は置けません。手荷物や身の回り品の収納にご協力をお願いします。緊急脱出の妨げとなる場合があるため、手荷物はすべて収納棚に収納いただきますようお願いいたします。
スカイマークでは、非常口座席には日本語または英語をご理解いただけるお客様に着席いただいております。ご理解、ご協力をお願いいたします。
前の座席の下などに手荷物を置くことができないので、それを不便に感じる方は非常口座席の利用は避けたほうが良いと思います。
余談ですが、普通の普通席で前の座席下に手荷物を置くとその荷物が邪魔でちゃんと足を伸ばせないことがあるので、そういう意味でも非常口座席は足を伸ばせて快適に感じました。
鹿児島空港出発
13時20分ごろ、CAさんによる挨拶が始まり、それとほぼ同時に駐機場をバックし始めました。
その後CAさんたちによる非常用設備の案内があり、13時25分ごろには滑走路へ向けて動き出しました。

非常用設備の案内はどの席を利用したときであってもしっかり聞く方だと思っていますが、非常口座席利用なのでいつも以上にしっかりと聞きました。
13時31分ごろ、鹿児島空港RWY34を離陸(北方向へ離陸)しました。
今回は、滑走路上で一度止まってからの離陸でした。

離陸後に右に旋回、窓から鹿児島空港の滑走路が確認できました。

ここまでの写真から察した方もいるかと思いますが、非常口付近の座席は翼やエンジンの関係で窓から見える景色はあまり良くありません。

13時36分ごろ、離陸して5分ほどですが背もたれを倒しても良いとのことでした。
その際に、搭乗券上部のQRコードから回答できるアンケートへのご協力の案内がありました。
機内サービス
13時46分ごろ、シートベルト着用サインが消灯しました。
その際に自動音声も流れました。
その後、CAさんからポケモン塗装のスカイマークの機体が描かれたネスレのキットカット ミニ(そらとぶピカチュウプロジェクトオリジナルデザイン)が配られました。

なお、スカイマークでは(最前列フォワードシート利用者を除いて)飲み物は有料(税込み100円)となっています。
路線によってはコーヒー(ネスカフェ ゴールドブレンド)が無料サービスとなっていますが、今回の鹿児島・名古屋(中部)線では対象外となっています。
中部国際空港(セントレア)に到着
東海地方の街並みが見えてきました。
中でも、木曽三川と呼ばれる濃尾平野を流れる木曽川、長良川、揖斐川の3つの川は河口付近で1ヶ所に集中するため機内からもよく分かります。

河口付近の木曽川と長良川・揖斐川に挟まれた場所にナガシマスパーランドがあります、遠くて写真では分かりにくいですが。
13時37分ごろ着陸態勢に入ったのですが、窓の外に目を向けると名古屋港を出て間もない、もしくは名古屋港に到着しようとしていると思われる船舶がたくさん見えました。

名古屋港は、自動車産業を中心とした中京工業地帯を支える日本の重要な港湾の1つです。
13時40分ごろ、中部国際空港(セントレア)のRWY18に着陸(滑走路北側から着陸)しました。

個人的な感想に過ぎないのですが、セントレアの人工島の形状が左肺に思えてなりませんw
到着した第1ターミナルは出発が3階、到着が2階と分かれているのが特徴的で、空港到着時に出発ゲートと同じ場所に出る他の空港に慣れていると不思議な感覚がします。
ただ、僕の場合初めて利用した空港がここセントレアだったようで、逆に懐かしさを覚えました。

最後に
今回は、スカイマークの非常口座席を実際に利用しました。
スカイマークのようなリーズナブルな価格で乗れる航空会社であっても、非常口座席だと前の座席との間隔にゆとりがあって快適でした。
事前指定ができないので確実に座れる保証はありませんが、機会があればぜひ利用してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。