格安航空会社(Low Cost Carrier; LCC)の登場により、かなり安い値段で飛行機を利用できるようになりました。
JALやANAのようなフルサービスキャリア(Full Service Carrier; FSC)にはマイレージ制度など魅力的な制度があるのですが、LCCに比べると運賃が高いというデメリットがあります。
そんなFSCですが、若者であれば安い値段で利用できることができるのをご存知でしょうか。
今回は、JALのスカイメイトについて実践と合わせて解説します。
(追記)JALの運賃リニューアルに伴い、スカイメイトにも変更が入るようです。
当運賃の利用期限は、2023年4月11日までとなります。
2023年4月12日以降はご利用いただけませんので、利用期限内にご利用いただくか、ご利用の予定がない場合は払い戻し手続きをお願いいたします。
廃止されるわけではないですが、現在のところ「未定」となっているので、新たな情報が発表され次第更新する予定です。
スカイメイトとは
概要
スカイメイトについて、JAL公式サイトには以下の記載があります。
満12歳以上26歳未満の方で、ご搭乗日当日、出発空港にて空席がある場合にご利用いただける運賃です(ご予約はできません)。
(空席が少ない場合は、最終的に空席が見込まれる場合にご搭乗手続きを承ります。)
このように、スカイメイトとは12歳〜25歳の人が利用できる運賃です。
「学割」という人もいますが、厳密には違います。
いちばん重要な点ですが、スカイメイト利用の場合は予約は出来ません。
そのため、当日までに席が埋まってしまうと航空券を購入することが出来ません。
また、当日に空港の自動チェックイン・発券機もしくは市内及び空港内のJALグループ国内線カウンターで購入するまでは、搭乗できるはわかりません。
購入場所に行くまでが勝負なのです。
ちなみに、「市内」のカウンターと言っても東京の1ヶ所と沖縄の2ヶ所しかありません。
基本的には空港につくまでが勝負だと思った方がいいと思います。
「空席待ち」という手もあるのですが、あまり期待しない方がいいでしょう。
ちなみに、通常は普通席ですが、追加料金を払うことでクラスJやファーストクラスにアップグレードすることも可能です。
もちろん、席が空いていないと出来ませんが。
ちなみに、ANAでは「スマートU25」という名前になっています。
かつてはJALと同じ「スカイメイト」だったらしいのですが。
こちらはJALのスカイメイトとは異なり、当日にネットで航空券を取ることも可能です。
運賃
スカイメイトの場合、普通運賃の6割引ほどになります。
半額よりも高かったり70%以上の割引だったりする路線もありますが、ほとんどの路線が普通運賃の50〜70%引です。
各路線ごとに運賃は決まっていますが、時期によって価格が異なります。
以下は、期間の例です。
最新情報は、JAL公式ホームページをご参照ください。
2022年3月27日~10月29日
期間I:2022年4月1日~6月30日、9月1日~10月29日
期間II:2022年3月27日~31日、7月1日~8月31日2022年10月30日~2023年3月25日
期間I:2022年10月30日~11月30日、2023年1月4日~2月28日
期間II:2022年12月1日~2023年1月3日、3月1日~25日2022年3月26日~4月11日
期間I:2023年4月1日~4月11日
期間II:2023年3月26日~31日
期間Ⅱの方が割高となっています。
路線によっては、期間Ⅰ・期間Ⅱともに同じ運賃です。
期間Ⅱにゴールデンウィークが含まれていないのが意外ですね。
各路線ごとのスカイメイトの運賃は、JAL公式サイトをご参照ください。
下のリンクのページ下部の検索ボックスから、スカイメイトを含む運賃を調べることができます。
以前まではJALグループ便が運航されている全区間が掲載された表から探す必要があり調べにくかったのですが、かなり改善されました。
また、この運賃とは別に一部の空港を発着する便を利用する際は「旅客施設使用料(Passenger Facility Charge)」が追加でかかります。
スカイメイト適用の運賃が高いかどうかについては、後述しています。
また、空席がある場合に限り、追加料金を払うことでクラスJやファーストクラスにアップグレードすることができます。
路線によって異なりますが、クラスJは1000円〜3000円、ファーストクラスは8000円〜9000円の追加料金が必要です。
マイル・FLY ONポイント(FOP)事情
スカイメイトでの搭乗であっても、マイルやFLY ONポイントは貯まります。
積算マイル
マイルの積算率は75%です。
スカイメイトはJALカードのツアープレミアの対象外なので、ボーナスマイルで積算率100%にすることは出来ません。
ただし、JALカードnaviのみボーナスマイルとして25%分が加算されるため、積算率は100%になります。
各JALカードごとのボーナスマイルもしくはステイタスボーナスも、他の運賃同様に貯まります。
FLY ON ポイント(FOP)
FLY ON ポイントは、
フライトマイル × 2.0(国内線換算率)
です。スカイメイトでは、搭乗ボーナスのFLY ONポイントは貰えません。
JALカードnaviは積算率100%ですが、あくまで25%分はボーナスなので、フライトマイルは75%で計算されます。
スカイメイトを利用するには
当然ながら、年齢を確認できるものが必要となります。
JAL公式サイトによると、以下のいずれのものが必要となります。どこで手続きを行うかで、多少異なります。
用意するもの | 空港の自動チェックイン・発券機 | 市内及び空港内のJALグループ国内線カウンター |
生年月日が記載されている公的書類(有効期限内のもの) | ✕ | ◯ |
JALカード(クレジットカード機能付き) | ◯ | ◯ |
JAL CLUB EST(20代限定) | ◯ | ◯ |
JALカードnavi(学生限定) | ◯ | ◯ |
JALマイレージバンク(JMB)カード | ◯ | ◯ |
スカイメイトカード | ✕ | ◯ |
1番のオススメは、学生専用のクレジットカードである「JALカードnavi」です。
前述の通り、JALカードnaviユーザーは区間の110%(=75%+25%+10%)のマイルが溜まります。
実際に利用してみた
自動チェックイン・発券機編
2019年(令和元年)12月25日、東京を訪れた際の帰りにスカイメイトで航空券を購入しました。
東京に行こうと思ったのが数週間前だったのですが、その時すでに安くても片道3万円を超えていたので、可能性にかけてスカイメイトを利用することにしました。
LCC利用でも良かったのですが、マイルを貯めたかったのでJALのスカイメイトを利用することにしました。
ちなみに、なぜ帰りだけかというと、行きは寝台特急を利用したからです。
今回は、羽田空港から鹿児島空港へ向かう便の航空券をスカイメイトで購入しようとしました。
当日の状況
JAL公式アプリで空席状況を確認したところ、朝一の便と最終便のみ空席がありました。
朝に東京に着いたのに朝一の便で帰っては意味がないので、最終便一択でした。
最終便は、普通席だけでなくクラスJも空席がありました。
羽田空港に到着
スカイメイトでの航空券の購入は、空港で行わなければなりません。
東京駅到着後、この日の目的地に向かう前に羽田空港を目指しました。
JR線と京急電鉄を利用して、羽田空港国内線ターミナル駅にやってきました。

下車後、JALのカウンターがある第1旅客ターミナルに向かいました。
空港に到着する京急の列車の後方側に第1旅客ターミナルがあります。

第1旅客ターミナルには北ウイングと南ウイングがあり、航空会社や行き先によって分かれています。
JALの鹿児島空港行きは南ウイングになります。
自動チェックイン・発券機での購入・発券
さて、やっと南ウイングに到着しました。
上述のように、スカイメイトを利用する際に何を提示するかによって自動チェックイン・発券機で購入できるかが変わります。
僕は、学生専用のJALカードnaviを持っています。

なので、今回は自動チェックイン・発券機で航空券を購入しました。

自動チェックイン・発券機の使い方は、JAL公式サイトをご参照ください。とは言っても、基本的に画面の指示に従えば問題ありません。
座席クラスを指定できます。
羽田・鹿児島間にファーストクラスが設定されていないので、普通席とクラスJから選ぶことになります。
普通席にするかクラスJにするか少し迷ったのですが、今回は普通席にしました。
一番最後に座席指定を行います。
僕は窓に接した席が好きなのですが、普通席に1つだけ空いていたのでその席にすることにしました。
運賃は、19440円でした。
発券されたもの
全ての操作を終えると、発券されました。

詳しく見ていきましょう。
まずは、「eチケットお客さま控」です。

この券に2次元バーコードが印刷されており、保安検査場や搭乗口で利用することが出来ます。
次に、「クレジットカードご利用明細書」です。
先ほど書いたようにJALカードnaviで支払ったので、それに対する利用明細書です。

最後に、領収書です。

JAL公式アプリに反映
航空券を購入後、JAL公式アプリにもその内容が反映されていました。

2次元バーコードも表示されていました。
ただ、座席指定したのにアプリには座席が表示されませんでした。
おまけ:スカイメイトでのフライト
夕方に羽田空港に戻ってきましたが、普通席はまだ空いていました。

また、この日は西日本は天気が悪かったです。
広島以外は雨マークでした。

保安検査場を通過する際は、「eチケットお客さま控」ではなくJAL公式アプリを使用しました。
理由は簡単、eチケットを取り出すのがめんどくさかったからですw
スマホはすぐに取り出せますからね。
ちなみに、先ほど書いたようにアプリには座席が表示されませんでした。
ですが、アプリに表示されているバーコードで保安検査場を通過できたので、気にすることはありません。
また、保安検査場で渡された「ご搭乗案内」にはきちんと指定した座席が書かれているので、心配する必要はありません。

無事保安検査場を通過できたので、14番搭乗口まで待つことにしました。

JAL655便で使用された機材は、ボーイング767-300ERでした。
鹿児島空港付近は、気温12℃のようです。

事前改札や優先搭乗終了後、全ての乗客の搭乗が始まりました。

今回は、普通席を利用しました。

今回取った座席の横の座席(通路側)は朝空港に来たときには空いていましたが、その後埋まったようです。
さて今回のフライトですが、悪天候のため知多半島付近(愛知県付近)を過ぎ紀伊半島付近(和歌山県付近)に差し掛かったあたりから機体が揺れ始めました。
特に、上下の揺れが多かったように感じました。
この上下の揺れが、僕は苦手なのです・・・。
ちなみに、JAL公式アプリには最後まで座席が反映されることはありませんでした。そういうものなのでしょうか、分かる方は教えて下さい。

鹿児島空港には一発で着陸しましたが、普段乗り物酔いしない僕ですが少し酔ってしまいました。

飛行機を降りてすぐに鹿児島市内行きの高速バスに乗ったのはマズかったですねwなんとか大丈夫でしたが。
積算マイル・FLY ONポイント
羽田・鹿児島間の区間マイルは、601マイルです。
先ほども書いたように、スカイメイトはフライトマイルの積算率が75%になります。
ですが、JALカードnaviの利用の場合は25%分のボーナスマイルがプラスされるので、実質100%です。
また、JALカードnavi会員ボーナスマイルとして、フライトマイル(=区間マイル×75%)の10%がプラスされます。
なので、積算マイルは
601 × 100% + ( 601 × 75% ) × 10% = 601 + 45 = 646
で、646マイルでした。
また、FLY ONポイントはフライトマイルに国内線換算率の2倍を適用して
( 601 × 75% ) × 2 = 451 × 2 = 902
で、902FOPでした。

ちなみに、このフライトが2019年(平成31年/令和元年)で唯一のJALグループ便の搭乗でした。
大晦日に、ボーナスとして5000FOPが加算されていました。
翌日には2020年(令和2年)になったので、すぐに0に戻りましたがw
チェックインカウンター・クラスJアップグレード編
2022年(令和4年)5月4日、かなり久々にスカイメイトを利用してJALグループ便に搭乗しました。
また、このときはクラスJにもアップグレードしました。
その時の様子は、いずれ更新予定です。
もしかしたら、別の記事として公開するかもしれません。

スカイメイトはお得なのか
スカイメイトは当日空席があるときにしか利用できないというデメリットがありますが、それを抜きにして果たしてお得なのかを考えてみましょう。
一般論
直前に決まったときにはかなり有効
航空券は搭乗日よりだいぶ前に取ることが多いと思います。
早く取るほど安いからです。
逆に言えば、直前になるとFSCでもLCCでも運賃が跳ね上がってしまいます。
そのことから、直前になって飛行機に乗ろうと思ったときに役立つのではないかと思います。
対象となる年齢は学生が多いので、数日前とかにふと旅行したくなったときなどに有効なものだと思います。
数日前となるLCCでも運賃がかなり高くなっていますからね。
FSCの普通運賃の高さを忘れてはいけない
スカイメイトの運賃は、普通運賃の約6割引の価格となっています。
「6割引」というワードだけを聞くとすごくおトクに聞こえることでしょう。
ですが、元の普通運賃が高いことを忘れてはいけません。
スカイメイトが最も安いわけではないが・・・
スカイメイトの運賃に関してここまで安いとお伝えしましたが、あくまで安い「方」というだけです。
もっと早くに航空券の予約を取ればスカイメイトの価格よりも安いことがあります。
今回のような羽田発鹿児島行きの便も、時期によりますが早得で8000円台で購入することができることもあります。
さらに言えば、特便割引のクラスJであっても1万〜1万4千円ほどで購入できるので、スカイメイトが決して安いわけでないことが分かると思います。
航空券の値段はコロコロ変動するので、ご自身でお確かめください。
逆に、お盆の時期やゴールデンウィークなどはいくら早めに予約しても値段が下がらないことがあるので、そのときはスカイメイトの料金はすごくお得でしょう。
前述の通り、ゴールデンウィークはなぜか運賃高い期間に入っていないですからねw
まあ、そういう時期は当日空いてない可能性が大ですけど。
あくまで直前で決まったときにリスク付きで安くなるものと考えるべきでしょう。
今回の場合
今回は、東京に行く予定が数週間前に決まりました。
この段階で、ソラシドエアやスカイマークのようなLCCでも運賃が3万円を超えていました。
おそらく年末だったことが関係しているのでしょう。
また、マイルが欲しかったというのもあるのですが、搭乗で貯まるマイルだけでなくJALカード会員の初回搭乗ボーナスマイルが欲しかったというのもあります。
この年は今回の搭乗まで1回もJALグループ便に乗っていませんでしたからね。
運賃は19440円でしたが、これが安いとは言い切れません。
なぜなら、羽田・鹿児島間は先得では8000円台で購入することも可能だからです。
更に言えば、LCCを利用すればもっと安い値段で購入できることもあります。
最後に
今回は、JALのスカイメイトについてまとめました。
注意しなければならない点がありますが、26歳未満、特に学生の方は覚えておいて損はないと思います。
マイルやFOPも貯まるので、是非活用してみてください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。